Atomistic modeling of dislocation dynamics with first principles accuracy
Project/Area Number |
21K04631
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26010:Metallic material properties-related
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Research Institution | College of Industrial Technology |
Principal Investigator |
森 英喜 産業技術短期大学, その他部局等, 准教授 (00456998)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | 転位動力学 / 高精度機械学習原子間ポテンシャル / 原子モデリング |
Outline of Research at the Start |
革新的な材料開発には、原子モデリングを用いて材料の物性を非経験的に評価し、その結果に基づいて開発指針を予測的に示すことが必須である。本研究では、ニューラルネットワークを用いて構築した第一原理計算精度のBCC鉄用の原子間ポテンシャルを用いてBCC鉄中の転位進展の様子、特に空孔などの格子欠陥が転位の進展に与える影響の詳細について第一原理計算精度での解析を行う。その結果に基づき、金属材料の塑性変形の素過程である転位進展の詳細を解き明かすことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、これまでに開発に成功した密度汎関数(DFT)精度をもつ体心立方(BCC)鉄ニューラルネットワーク型(ANN)原子間ポテンシャルを用いて原子モデリングに基づいた大規模な転位進展解析を行うことである。転位進展のダイナミクスを定量的かつ複合的に解析を行うとともに、特に、金属強度に大きな影響を与える転位と析出物やボイドなどの障害物との相互作用を解析することである。 本年度では,前年度でおこなった高速化を行ったANN原子間ポテンシャルを用いて、100万原子規模での分子動力学法による高精度大規模な転位動力学計算を行った。 刃状転位と応力によって進展させ、進路上にあるボイド(空孔)と接触させることによって、転位とボイドとの相互作用を解析を行った。特に刃状転位がボイドを通過するの必要な臨界せん断応力および転位の張り出し形状の詳細を原子レベルで解析した。また、従来用いられている原子埋め込み法(EAM)などの簡便な経験的ポテンシャルをもちいて同条件で解析を行い、解析結果の比較を行った。 これより、従来のEAMポテンシャルの結果と比較してANN原子間ポテンシャルでは,通過のための臨界せん断応力は15%程低いことが分かった。また、EAMポテンシャルでは転位の張り出しが非対称になることが従来知られおり今回の解析でも確認出来た。それに対してANN原子間ポテンシャルを用いた解析ではこのような現象は起こらず、張り出し形状はほぼ対称であった。これは前年度に解析を行った結果と比較することによって、EAMポテンシャルでの非対称な張り出し形状は EAMポテンシャルが様々な混合転位の易動度(パイエルス応力)を過大評価しているためであると結論付けることが出来た。また、剛体球と刃状転位との大規模長時間解析も実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」欄に記述したように、原子モデリングに基づいた大規模転位動力学解析に向けて、(1)ANN原子間ポテンシャルでの刃状転位とボイド(空孔)との相互作用解析のための分子動力学法による大規模転位動力学計算および従来用いられている原子埋め込み法(EAM)などの簡便な経験的ポテンシャルでの解析結果との比較を昨年度は主に行った。 ANN原子間ポテンシャルでの解析では、100万原子規模での分子動力学法による高精度大規模な転位動力学計算を実施を行うことが出来た。これは前年度に行ったANN原子間ポテンシャル計算速度の大幅な高速化によって可能になったものであり、高精度な機械学習ポテンシャルを用いた解析では、世界でもトップレベルの規模となる。また、学術的な面においても世界で初めて障害物(ボイド)からの転位の張り出し形状を高精度に評価し、従来のEAMポテンシャルで観測されていた非対称な張り出し形状とは異なる、対照的な転位の張り出しを観測した。この結果は従来の実験結果との整合性しており、従来のEAMポテンシャルでは困難であった高精度かつ大規模な原子モデリングによる転位動力学の実施に成功した。 また、発展的な剛体球と転位との相互作用を行った。さらにこの解析を長時間にわたって進展させることによって転位、障害物および転位ループとの相互作用の解析の実施に成功した。 以上のことより、本研究課題は順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」および「現在までの進捗状況」で述べたように本研究課題は順調に進行している。このため本年度および次年度は課題の中心的ターゲットである大規模計算を継続的に遂行していく。 まず、温度条件や障害物の種類および転位の配置など様々な条件解析を行い、可能であれば先行研究や実験との整合性を確認し、解析を行っていく。 また、近年、中性子などの照射によってC15構造と呼ばれる特殊な析出物(結晶構造)が生成される可能性が示唆されている。鉄鋼材料の幅広い用途を考慮した場合、このような析出物と転位との相互作用の解析を詳細に行うことは非常に重要であると考えられる。現在のANN原子間ポテンシャルではC15構造はデータベースに入っていない。このため第一原理計算を用いたデータベース作成およびそれらを用いてポテンシャルをブラッシュアップしていく。さらに照射下での解析にも用いることが出来るように原子同士が超近距離になった場合の補正項についても検討していく。 また、これまでのEAMポテンシャルでは解析が困難であったらせん転位の解析にも着手していく。らせん転位の場合、熱活性化過程が重要である。現在エネルギー論的な解析を行いデータを蓄積を行っている。これらを貼ってさせて動力学的な解析を順次行っていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)