電圧プリント法を応用したソーダライムガラスへの光情報表示機能創製
Project/Area Number |
21K04706
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
酒井 大輔 北見工業大学, 工学部, 准教授 (10534232)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | ガラス / ホログラム / 構造転写 / 光 / 電界処理 |
Outline of Research at the Start |
ガラスは透明であるため、目に見える光は透過する。本研究は、ガラスに微細な周期構造を付与することで、光の屈折・回折等により情報表示を可能とすることを目的とする。ガラス内へ微細な構造を形成するための手段として、光によるミクロなパターニングと電界処理によるマクロなパターニングを組み合わせた独自の電圧プリント法を応用する。更に、後処理として、ガラス表面を凹凸化する方法を組み合わせることで、ガラスの表面と内部に光を屈折・回折する構造を形成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、身近な透明材料であるソーダライムガラスへ光による情報表示機能を付与するための研究を行っている。一般的に、ガラスはその高い安定性より微細構造の加工には多くのコストが必要とされていたが、本研究では独自の回折構造転写技術である「電圧プリント法」を用いることで、一般的な可視域のレーザと電界処理により、ガラスへ回折構造を形成することに成功している。本研究ではこの技術を応用することで、ガラスに微細な周期構造を転写形成し、光により情報表示を行うことを目的とした研究を行っている。4年間での実現に向け、 「ガラス内の回折構造形成」 「ガラス表面への凹凸構造形成」 「光の伝搬・回折の計算と評価」 の3点に着目した研究実施を計画してきた。 2年目となる2022年度には初年度に改良した電圧プリント装置を用いたガラス表面の構造化に注目した研究を行った。電圧プリント処理と後処理を組み合わせた実験に集中し、様々な実験パラメータを変化させた結果、ガラス上の微細構造による回折効率を向上することが出来た。本年度の実験で得られた結果は複数回の学会発表にて報告を行い、その内1件がポスター発表最優秀賞を受賞することが出来た。また、本研究を進める中で、当初計画していなかった新たな発見があった。これまでの電圧印加法では正極の直流電圧によりガラスへ微細な回折構造を転写してきたが、新たに、負極性電界を用いることでホログラムなどをガラスへ転写できる技術を実験的に発見したため、特許申請を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、ガラス表面の微細構造化による実験を進めることで、回折効率を高めることが出来た。光学計算の実施も計画していたが、本年度は上記研究実績の概要にて述べたように、当初計画していなかった新たな発見があり、特許申請を行うことが出来たため、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目となる2023年度の研究では、まず、2年目までに行ってきた電圧プリント法を用いた様々な実験パラメータによる実験結果をまとめ、本研究での目標に適した条件を得る。高い回折効率が得られる条件が、基本的には本研究での目標としても適した条件と言える。 また、昨年度の研究内で実験的に明らかとなり、特許申請を行った負極性電界を用いたガラスへの新たなホログラム転写方法についても、その特性を調べる。従来の電圧プリント法と比較し、得られる回折効率や必要となる処理時間などで優位性がある可能性がある。 上記ガラスへの回折構造形成実験を行いつつ、併せて、ガラスへの光情報表示へ向けて、空間光変調器を用いた実験を進める。 また、2年目では新たな実験方法を発見したことも含め、全体を通して実験が研究活動の中心となっていたため、3年目では微細な周期構造での光の回折について、厳密結合波理論を用いた光学シミュレーションも進め、4年間での本研究の遂行を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)