Project/Area Number |
21K04718
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
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Research Institution | Osaka Research Institute of Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
谷 淳一 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究室長 (20416324)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 熱電変換材料 / 格子欠陥制御 / ジントル相 / 薄膜 / スパッタ法 / パルス通電加圧焼結 / ポストアニール / パルス通電焼結 / 酸化物還元法 |
Outline of Research at the Start |
国内の一次エネルギーの約6割にあたる膨大な廃熱が地球環境に排出されており、熱エネルギーを直接電力に変換できる熱電素子の研究開発に注目が集まっている。アルカリ金属・アルカリ土類金属と典型元素との化合物であるジントル相は、高い熱電特性を示すものの、大気中で不安定な化合物が多く、物性については未解明な点が多い。本研究では、Mg系ジントル相熱電材料の格子欠陥エンジニアリングに着目し、半導体特性制御のためのバルク・薄膜材料の加工技術の開発を行う。また、熱電特性、輸送特性、光学特性とバルク・薄膜中の格子欠陥との相関を解明し、高性能化のための材料設計指針を確立することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
Mg系半導体は、資源豊富、軽量、安価であることから、熱電変換材料、太陽電池、赤外線センサーなどへの応用が期待されている。本研究課題では、Mg系ジントル相熱電材料の格子欠陥エンジニアリングに着目し、半導体特性制御のための、バルク・薄膜の加工技術の開発を行う。本年度は、パルス通電加圧焼結法を用いて、n型ドーパントの候補である希土類元素をドープしたMg3Sb2の合成を行い、その電気的特性について検討を行った。また、連続波Ybファイバーレーザを用いて、Mg3Sb2バルク材へのレーザ照射条件と電気的特性との相関を調べ、以下の成果が得られた。 1. Mg、Sb、希土類酸化物の混合粉末から1段階プロセスで緻密な希土類ドープMg3Sb2焼結体の作製に成功した。Ce2O3、Pr6O11、Nd2O3などの希土類酸化物を添加した場合、未ドープ試料よりも電子濃度が大幅に上昇し、希土類元素は+3の価数の状態でMgサイトに置換し、n型ドーパントとして機能した。一方、Sm2O3、Eu2O3、Yb2O3については、未ドープ試料よりも電子濃度が若干低下した。Sm、 Eu、 Ybの3元素については、+3の価数ではなく、+2の価数の状態でMg3Sb2中のMgサイトに置換されていると考えられる。 2. n型Mg3Sb2バルク薄片を5軸試料ステージに取り付け、真空中(3×10-2Pa以下)において、レーザ光照射(出力:5-10W、ビーム径:4.5mm)を10秒間行った。ホール効果測定の結果、レーザ光照射によりキャリアタイプがn型からp型に変化し、その正孔濃度はレーザ出力と相関関係があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、Mg系ジントル相熱電材料の格子欠陥エンジニアリングに着目し、半導体特性制御のためのバルク・薄膜の加工技術の開発を行うことを目的としている。本年度は、希土類ドープMg3Sb2の合成に成功し、その成果を学会で報告した。また、Mg3Sb2バルク材へのレーザ照射条件と電気的特性との相関を解明することができ、おおむね当初の計画どうりに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、ファイバーレーザによるMg3Sb2半導体制御について、実験のさらなる条件検討、追試などを行い、学会や論文等で発表を行う予定である。
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