ウイルスの高感度検出のための糖鎖固定化ポリマー粒子の合成
Project/Area Number |
21K04764
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 27020:Chemical reaction and process system engineering-related
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
山内 紀子 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 講師 (20598106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 慎 福島大学, 食農学類, 准教授 (10532666)
小林 芳男 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (40250849)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | ポリマー粒子 / 磁性粒子 / 糖鎖 / 複合粒子 / ソープフリー乳化重合 / ウイルス / レクチン / 蛍光 / 微粒子 / ナノ粒子 / 磁性 / ポリマー / ワンポット合成 / ウイルス検出 |
Outline of Research at the Start |
世界的大流行を引き起こす感染症の広がりを抑制するためには、感染初期のウイルス量が極めて少ない時期に、感染を正確に判断する診断技術が求められる。本研究では、ウイルス認識能をもつ糖鎖を表面固定化したポリマー粒子を合成し、この粒子を用いて唾液や鼻水、血液などに含まれるウイルスを濃縮することで、微量のウイルスを高感度検出する技術を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス、ノロウイルスなどによる感染症の拡大を抑制し、患者の重症化を防ぐためには、ウイルス保有者を早期に発見し、適切な治療を行う必要がある。本研究グループでは、ウイルス変異の影響を受けずに高精度検出が可能であり、変性を起こすことのない糖鎖を表面固定化したポリマー粒子に着目してきた。 一方で、材料化学工学の観点からは、粒子表面および内部を精密に制御可能であるとともに、できる限り安全で簡便な手法で、かつ幅広く応用展開できる微粒子合成プロセスの確立が必須である。本研究では、複雑な糖鎖構造を損なわずに、ウイルス吸着能をもつ糖鎖を粒子表面に強固に固定化できる手法として、水溶媒中で原料を混ぜるだけのワンポット法を提案した。水溶媒中で安定化剤などの不純物の添加を行わずに作製するため、環境低負荷な手法であり、粒子自体の安全性も高い。令和5年度は、磁性粒子としてFe3O4粒子をコアとし、その表面にグルコース固定化ポリマーシェルを形成した結果を原著論文として発表した。磁性粒子をコアとすることで、外部磁場を用いて目的物質を吸着した後の粒子の迅速かつ簡便な回収が可能となる。また、粒子が磁石で回収される様子を追跡できるようにするため、ポリマーシェルに蛍光色素を内包した。さらに、グルコース以外の糖鎖を固定化する検討も進めた。生成粒子表面への糖鎖の固定化は、それぞれの糖鎖に特異吸着するタンパク質(レクチン)を用いて行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複雑な糖鎖構造を損なわずにウイルス吸着能をもつ糖鎖を粒子表面に強固に固定化できる手法として、水溶媒中で原料を混ぜるだけのワンポット法に関する研究を推進し、コア粒子である磁性粒子(Fe3O4粒子)の表面に糖固定化ポリマーシェルを形成した複合粒子合成の結果を原著論文として発表できたため、概ね順調であると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
粒子表面への糖鎖固定化の最適条件の検討を引き続き行う。今後は特に、粒子表面へのタンパク質などの夾雑物の非特異吸着の抑制を検討することで、ウイルス濃縮剤などへの適用を見据えた粒子開発を行っていく。
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Report
(3 results)
Research Products
(27 results)