Project/Area Number |
21K04798
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 27040:Biofunction and bioprocess engineering-related
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
吉田 亘 東京工科大学, 応用生物学部, 准教授 (10599806)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 等温PCR / 修飾塩基 / グアニン四重鎖構造 / i-motif構造 / 5-メチルシトシン / がん診断 |
Outline of Research at the Start |
本研究では検体と試薬を混合するだけで標的遺伝子の異常な修飾塩基を測定する方法を開発し、簡便ながん診断法を開発することを目的とする。がん細胞では5-メチルシトシンなどの修飾塩基のパターンが異常になっているため、異常な修飾塩基はがんのバイオマーカーとなる。そこで、本研究では修飾塩基を認識するタンパク質を用い、室温で静置するだけで、簡便に標的遺伝子の修飾塩基を測定する方法を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では等温PCRを用いて標的領域の修飾塩基を簡便に測定する方法を開発することを目的としている。これまでにVEGFグアニン四重鎖(G4)構造と、その相補鎖で形成されるintercalated motif (i-motif)構造中のCpGのシトシンの5位がメチル化されると、これら構造の熱安定性が上昇することを明らかにした。さらに、これを等温PCR法であるRecombinase Polymerase Amplification(RPA)法で増幅すると、CpGメチル化レベル依存的にRPA効率が低下することを明らかにした。つまり、RPAの増幅効率を測定するだけで、標的領域のCpGメチル化レベルを測定できることを示している。本手法はCpGのメチル化レベルだけでなく、G4構造やi-motif構造の熱安定性に影響を与える他の修飾塩基の測定にも応用可能である。そこで、本年度は近年哺乳類ゲノムDNAにも含まれることが明らかになったN6メチルアデニン修飾が、G4構造とi-motif構造に与える影響を解析することを目的とした。本研究では、特殊な二量体化G4構造を形成するc-MYBとHER2 G4構造、テロメア末端で形成されるi-motif構造を標的とし、これらのアデニンの6位をメチル化したオリゴヌクレオチドを合成し、それらの熱安定性を円二色性スペクトル(CDスペクトル)法で解析した。その結果、c-MYB G4においてはA3とA18、A6とA21を、HER2 G4においては、A9とA21、A12とA24をメチル化するとその熱安定性が低下することが明らかになった。テロメアi-motifに関しては、A5、A6、A17、A18をメチル化するとその熱安定性が低下することが示された。これらの結果より、標的領域のN6メチルアデニンレベルもRPAの増幅効率を測定するだけで簡便に測定できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では等温PCRを用いて標的遺伝子中の修飾塩基を簡便に測定する方法を開発することを目的としている。これまでに、CpGメチル化によりG4構造やi-motif構造が安定化するため、それらの領域のRPA効率はメチル化レベルに依存して低下することを明らかにした。つまり、RPA効率を測定するだけで、CpGメチル化レベルを測定できることを示した。さらに、CpGメチル化以外の修飾として、N6メチルアデニン修飾に着目し、N6メチルアデニン修飾によってc-MYB G4構造、HER2 G4構造、及びテロメアi-motif構造が不安定化することを明らかにしたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、CpGメチル化によってG4構造とi-motif構造が安定化するため、これらを鋳型とした場合、RPA効率が低下することを示した。さらに、N6メチルアデニン修飾によってG4構造とi-motif構造が不安定化することを明らかにした。今後は、RPAによってN6メチルアデニン修飾レベルを測定できるか検討する。さらに、メチル化CpGの脱メチル化反応過程において生じる5-ヒドロキシメチルシトシン、5-ホルミルシトシン、5-カルボキシシトシンなどがG4構造やi-motif構造の熱安定性に与える影響を明らかにし、等温PCRを行うだけで、それら修飾塩基を測定できる方法を開発する。
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