チタン酸バリウム構造を含む新規積層結晶構造を用いた磁気トンネル接合材料の創成
Project/Area Number |
21K04862
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 29010:Applied physical properties-related
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
神島 謙二 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20321747)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 結晶工学 / 応用物性 / フェライト |
Outline of Research at the Start |
本研究は、ハーフメタルであるマグネタイト層およびナノ絶縁障壁として働くチタン酸バリウム層を組み合わせた磁気トンネル接合を、新規積層構造フェライト結晶内に実現することを目的とする。磁気トンネル接合構造そのものを内包する新規積層構造フェライトを作製すれば、低コストかつ再現性の良いスピントロニクス材料として利用できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
二価鉄を導入した積層構造Ba-Fe-Ti酸化物ならびに18H型六方晶フェライトの作製を試みた。試料の組成、焼成温度、および封入管内圧をコントロールすることにより、積層結晶構造単相の生成条件を探索した。 原料としてBaCO3,α-Fe2O3,ZnO,TiO2,Fe3O4を用いて、目的の化学量論組成になるように秤量した。これらのうち二価鉄を含まない原料(Fe3O4以外)を遊星ボールミルで湿式粉砕混合した原料粉を900°Cで仮焼成した。仮焼成後、二価鉄原料であるFe3O4を加え、加圧成形し、石英管に真空封入した。その石英管を1000~1200°Cで5時間本焼成し、試料を作製した。試料の結晶構造をX線回折(XRD)によって同定した。 その結果、二価鉄-四価チタン置換した18H型六方晶フェライトならびにBa-Fe-Ti酸化物の作製に成功した。18H型フェライトが生成するのは限られた組成のみであった。温度・組成・封入管内圧条件の最適化が必要である。Ba-Fe-Ti酸化物に関しては、二価鉄-四価チタン置換による低温自発磁化の向上を観測した。これは、非磁性イオンであるチタンが下向きスピンサイトに入ったものと考えられる。今後、中性子回折による機器構造の決定が期待される。 また、鉄酸化物探索の過程で、結晶構造データベース・パウダーディフラクションファイルに掲載されていないバリウムリチウム鉄酸化物を見出した。酸化バリウム-酸化リチウム-酸化鉄3元系相図上でこの酸化物の生成条件を決定し、単結晶を作製し構造を特定した。このような物質探索は、新材料開発研究の礎石となるものであり、重要なものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的物質である、二価鉄イオンを注入した18H型六方晶フェライトの作製に成功したため、順調に進展していると判断する。これは導電層になる二価鉄スピネルブロック及び絶縁層になる六方晶チタン酸バリウムブロックが導入されていることを意味するからである。 これに対し、二価鉄のドープ量を変化させた組成の異なる18H型六方晶フェライトを単相で作製し、磁気抵抗測定を行うのが今後の課題となる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに確立した二価鉄イオン注入積層結晶構造試料の作製条件を出発点とし、六方晶18H型フェライトの単相生成条件の特定を行う。封入内圧が低いと焼結体が溶ける傾向があることがわかったため、 安定して作製できる温度・組成範囲並びに封入内圧を決定する。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)