Project/Area Number |
21K04876
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 29020:Thin film/surface and interfacial physical properties-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤本 義隆 九州大学, 工学研究院, 特任准教授 (70436244)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 原子膜系物質 / 第一原理輸送計算 / グラフェン / 窒化ホウ素 / ナノチューブ / 原子膜物質 / h-BN / 第一原理電子輸送計算 / 二次元系原子膜 / 量子輸送特性 / 第一原理計算 |
Outline of Research at the Start |
グラファイトの一原子層であるグラフェンは、優れた電気伝導性を有することが知られています。しかしながら、グラフェンを電子デバイスなどに利用する場合、グラフェンは周囲の環境から影響を受け、その本来持つ優れた特性を十分に活用することができません。本研究では、グラフェンと窒化ホウ素膜を組み合わせた複合原子膜を用いることで、グラフェンの特性の向上を目指します。そして、次世代型の高性能電子デバイス開発に向けた知見を提示します。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、原子膜物質を用いた高性能デバイスを実現するための理論的設計を行うことにある。本年度では、電子デバイスの伝導チャネル材料として、有力な候補であるグラフェンを用いた複合構造の輸送特性に関する研究を展開した。通常、伝導チャネルは、絶縁体などの基板上に作成される。ここでは、ワイドギャップ半導体である窒化ホウ素原子膜上に配置されたグラフェンの輸送特性に関して調べた。特に、基板として用いた窒化ホウ素原子膜中に存在する不純物炭素が輸送特性に与える影響について調べた。はじめに、不純物ドープされる前の窒化ホウ素原子膜上のグラフェンの伝導特性を調べた。その結果、グラフェンが窒化ホウ素膜により相互作用を受け、伝導度が変化することが明らかになった。次に、窒化ホウ素原子膜中に不純物をドープした場合における輸送特性に関して調べた。その結果、窒化ホウ素原子膜中のホウ素サイトに不純物炭素をドープすると、伝導帯領域での輸送特性が変化することが明らかになった。また、エネルギーが増加するに従って、伝導度の変化率が増加することも分かった。一方、窒化ホウ素原子膜中の窒素サイトにドープすると、価電子帯領域での輸送特性が変化する。このことは、窒化ホウ素原子膜中の不純物のアクセプター状態やドナー状態が、グラフェンの輸送特性に影響を与えていることが予想される。このように、グラフェンの輸送特性を調べることで、窒化ホウ素原子膜中にある不純物ドーパントを検知可能な機能を有することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グラフェン/窒化ホウ素原子膜のハイブリッド構造の量子輸送現象と不純物状態が輸送特性に与える影響を明らかにできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、高性能デバイスを実現するために、原子膜の層数の変化等の構造的特性とそれに対応した機能特性との関係を明らかにしていく。
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