Project/Area Number |
21K04897
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 29030:Applied condensed matter physics-related
|
Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
三浦 陽子 鈴鹿工業高等専門学校, 教養教育科, 准教授 (20456643)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真中 浩貴 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (80359984)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | イメージング技術 / 旋光性 / 複屈折 / 多変量解析 / 偏光解析技術 |
Outline of Research at the Start |
近年, マルチフェロイクス研究の一つとして, 原子配置の左周りと右周りの回転変位がもたらす旋光性の非相反効果が注目されている。しかしこのような回転現象はドメインが出現しやすいため, ドメイン構造を観察しながら定量測定が出来る技術が必要とされている。 本研究では, これまで開発してきた光イメージング装置を用いて, このようなドメイン構造を直接観測して, ドメイン毎に回転変位を定量評価できる測定システムを構築する。一般に旋光測定では, 小さな旋光性の上に大きな複屈折が重畳することが避けられないため, これらを分離して旋光性と複屈折のイメージング像を同時に取得できる測定システムを構築する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
10年来, 申請者は新しいイメージング測定技術を用いて, ドメイン構造を観察しながら任意の場所で定量評価ができる光イメージング装置を開発し, 様々な成果を上げてきた。しかし昨年度までの研究によって, イメージング像をピクセル毎に旋光性と複屈折を分離するには計算コストが非常に高いことが分かっていた。そこで今年度は計算コストを抑えながら光の偏光状態の変化量を計算する方法として, ビッグデータのマイニング法として知られている多変量解析法を取り入れることにした。 量子常誘電体SrTiO3に対し[001]方向から外力を印加しながら光イメージング測定を行った結果, 約20Kで強誘電状態が出現することを観察した。しかし試料の場所によって発生する応力が異なるため, 光の偏光状態に大きな空間分布が現れた。そこで応力によって誘起される強誘電状態を解明するため, 相転移温度前後の30.0Kと14.1Kでの光の偏光状態の変化量に注目した。 多変量解析法による全量解析を行うため, 入射光と出射光の偏光状態を表す8個の変数を2個の変数へと縮約し, その2個の変数に対して方向統計学を適用し, さらに3種類の波長の実験結果をまとめ, 1万ピクセル×12次元のデータに整えた。そのデータに対してクラスター分析を行った結果, 3種類(C1, C2, C3)のドメインに分類できた。ドメインC1では応力が集中しているため, ドメインC2とC3に比べて有意に大きな自発分極が現れた。一方, ドメインC2とC3は自発分極の大きさは同じだが, その向きがわずかに異なっていることが分かった。これらの結果から, クラスター分析によって, 応力印加によるSrTiO3の強誘電状態の分布状態が可視化できた。本手法を用いれば, 計算コストをかけることなく偏光状態の変化量が計算できることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの偏光解析の方法では計算コストが非常に高いため, 研究の発展を妨げてきた。そこで今年度は従来の解析方法を全面的に改め, 多変量解析を用いた全量解析法の確立を行ってきたため, 研究の進捗が遅れ気味である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度に確立した多変量解析の手法がどのような実験結果にも適用できるのかを確認し, 必要に応じて微調整を行う。本手法が確立できれば, 様々なイメージング像が比較的, 簡単に出良くできるようになるため, 研究の遅れが取り戻せると考えている。
|