Project/Area Number |
21K04921
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 30020:Optical engineering and photon science-related
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
宮本 洋子 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (50281655)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 光情報処理 / 光の空間モード / 光渦 / 干渉計 / 2次元調和振動子 / 弱測定 |
Outline of Research at the Start |
ひねり干渉計は光ビームを2つに分けて、互いに直交する方向にそれぞれ位置と伝搬方向をずらし、位相差πで重ね合わせる干渉計である。この操作によって光が回転しながら進む渦構造を作ったり消したり、さらに複雑かつ有用な空間分布を作り出すことができる。本研究ではこのひねり干渉計について、位置と伝搬方向のずれが微小な場合を扱うこれまでの理論を改良して、ずれがより大きな場合を扱えるようにする。ビーム径の1/1000程度の微小なずれを安定に実現したり、多様な波長成分を含む広帯域の光へ適用しやすくしたりして、より使いやすい干渉計を実現する。空間分布を逆方向に変換する動作についても明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究はひねり干渉計による光の空間モードの操作について、その基本的な性質を明らかにするとともに、より安定かつ広帯域に適用可能な新しい干渉計を実現することを目的としている。ひねり干渉計は入力ビームを2つに分けて、互いに直交する方向にそれぞれ位置と運動量をずらし、位相差πで重ね合わせることで空間モードを変換する。令和5年度は微小な位置と運動量のずれをバランスよく安定に導入する共通経路ひねり干渉計について研究を進めた。 前年度の結果を踏まえ複屈折媒質と円筒面レンズによる構成を進めた。微小な位置のずれを実験的に評価するために弱測定による測定法を考案したが、実験では予期しない振舞いが現れ原因を検討中である。円筒面レンズの角度の許容範囲についてシミュレーションにより検討し、範囲の大きさと入射光のモード指数について新たな関係を見出した[Numakura他, USSET2023 (2023)他]。 円筒面レンズの副作用を除去するため、2枚の円筒面レンズを用いる構成を検討したが、ハイデラバード大で進行中の2枚の球面レンズと複屈折媒質の系の実験との類似性に着目し、両者を包含する理解に向けて議論を開始した。高次モードを入力モードとする実験に向けた、入力モードの純粋度を上げる技術についても評価手法の改良を進めた。 これらと並行して、偏光状態の空間分布の詳細な撮影に関する評価手法の改善[Nagai他、OMC 2024 (2024)]やモード変換素子の改良[小原他、Optics and Photonics Japan 2023 (2023)]等について成果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は共通経路ひねり干渉計を構成して実験を行い、理論との比較を行うとともに、広帯域光源を導入して広帯域での動作を確認し、逆方向の動作についても実験を行う計画であった。このうち共通経路ひねり干渉計については実験を進めたが、理論との比較はやや遅れている。広帯域光源は導入には至らず、逆方向の動作の実験にも着手していない。 理論と実験の比較が遅れている理由は、微小な位置のずれの実験的評価において予期しない振舞いが現れたためである。現状では研究上の障害となっているが、新たに開始した2枚の球面レンズの系との比較によって新たな現象の理解に進展する可能性がある。円筒面レンズの角度の許容範囲のシミュレーションからも当初の計画で想定していなかった成果が得られつつある。 広帯域光源の導入および逆方向の動作の実験の遅れは、機種選定を見直したことと、一時的な学内管理業務の負担増のためである。 以上から、研究の進行は部分的に遅れているが、同時に当初計画を超えた進展も得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の主な変更は、研究期間を1年延長したことである。これにより令和5年度中に計画していた広帯域光源の導入および逆方向の動作について実験を行う。また微小な位置のずれの実験的評価における予期しない振舞いの解明を進め、共通経路ひねり干渉計と2枚の球面レンズの系との統一的理解を模索する。 令和6年度:共通経路ひねり干渉計について、微小な位置のずれの測定の見直しを行う。前年度に観測された予期しない振舞いの再現性と原因について明らかにする。2枚の球面レンズの系で観測されている類似の現象と比較し、統一的なモデルによって理解できるか検討を行う。これらを踏まえて実験と理論との比較を行う。 広帯域光源の導入を行い、広帯域での干渉計の動作を確認する。 ひねり干渉計の逆方向の動作について、実験を行い、結果の解析を行う。逆方向の動作ではひねり干渉計を2入力2出力の装置と考えるため、順方向の動作で出力される2つのモードを出力側から入射して実験を行う。 前年度に引き続き、海外研究協力者のDinesh N. Naik氏(インド宇宙科学技術大学・准教授)、Nirmal K. Viswanathan氏(ハイデラバード大学・教授)、Chandran Thodika Samlan氏(ボルドー大学・ポスドク)と共同研究を行う。
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