超高速時間分解計測・高度計算科学による酵素内反応追跡に向けた化合物最適化技術開発
Project/Area Number |
21K04989
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 32010:Fundamental physical chemistry-related
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
樋山 みやび 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (90399311)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | ケージドルシフェリン / 光開裂量子収率 / 光開裂断面積 / 光褪色量子収率 / 光褪色断面積 / ホタルルシフェリン / ケージド化合物 / 生物発光 |
Outline of Research at the Start |
ホタル生物発光は基質であるルシフェリンが酸化反応をおこして発光する現象である。基質の生体内への影響が少ないことから、ホタル生物発光は生体内の発光イメージングに用いられているが、反応途中の情報が不明であることからその発光機構の詳細は依然として謎である。実験的に反応追跡するための第一歩として、本研究では光照射によりルシフェリンを生成する光照射型ケージドルシフェリンを用いて、光照射によるケージド基の解離過程についての詳細な情報を明らかにし、反応追跡に有効なケージド化合物の評価方法を確立することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
光照射によりホタルルシフェリン(以下、ルシフェリンとする)を生成するケージドルシフェリンは、生体内in vivoイメージングへの応用が期待される。この光照射型ケージドルシフェリンに対して、光照射によるケージド基開裂過程の詳細を明らかにし、ケージド化合物の評価方法を確立するためには、高純度の結晶が必要である。当研究室にて独独自に開発したケージドルシフェリン7-diethylaminocoumarin-4-yl)methyl-caged D-luciferin (DEACM-ケージドルシフェリン)に対して、純度測定・吸収測定・光解離実験を行う必要があるため、まず、DEACM-ケージドルシフェリン合成方法の改良を試みた。その結果、これまでよりも多く(112mg)、さらに、純度の高い(約96%)化合物の合成に成功した。 2021年度に、標準的なホタル生物発光の発光量子収率は41%であること、および、発光量(生物発光スペクトルのスペクトル積算値)からルシフェリン の分子数を見積もることができることを示した。そこで2022年度は上記の生物発光方法を利用し、光照射したDEACMケージドルシフェリンから生成したD-ルシフェリンの分子数を定量した。照射光には、水銀ランプと405nmおよび325nmのフィルターを組み合わせ、405nmと325nmの光を用いた。DEACMケージドルシフェリンから生成したD-ルシフェリン分子数と光照射時間の関係から、光開裂を定量的に示す物理量である光開裂量子収率および光開裂断面積を決定した。その結果、DEACMケージドルシフェリンの光開裂量子収率は325 nm光照射の場合5.41×10-4、405 nm であり光照射の場合6.23×10-5 であることがわかった。すなわち、ケージド化合物の定量的な評価方法を確立することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の遂行において最も重要なサンプルであるDEACM-ケージドルシフェリンについて、合成方法を改良し、これまでよりも高純度な化合物の合成に成功した。また、前年度に確立したD-ルシフェリンの定量測定方法を用いて、新たに合成した高純度DEACM-ケージドルシフェリンの光解離過程を定量的に調べることができた。さらに、これらの研究成果について、査読付きの論文としてJournal of Photochemistry and Photobiology A: Chemistryに投稿し、受理された。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、水銀ランプを用いて光照射実験を行ってきたが、超高速時間分解分光系を構築するためには、単一波長の光を発信できる装置を用いる必要がある。そこで、今回得られた結果に基づき、LEDやレーザーを用いた光照射系を構築し、DEACM-ケージドルシフェリンの光解離過程を調べる。また、反応途中の変化を測定するために、紫外・可視吸収の利用以外に、結合状態を直接観測することができる軟X線の利用についても検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(22 results)
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[Journal Article] Quantum yield of near-infrared bioluminescence with firefly luciferin analog: AkaLumine2023
Author(s)
R. Ono, K. Osawa, Y. Takahashi, Y. Noguchi, N. Kitadad, R. Saito-Moriya, T. Hirano, S. A. Makid, K. Shibata, H. Akiyama, K. Kanno, H. Itabashi, and M. Hiyama
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Journal Title
Journal of Photochemistry & Photobiology, A: Chemistry
Volume: 434
Pages: 114270-114270
DOI
Related Report
Peer Reviewed
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[Presentation] Photo-cleavage quantum yield of coumarin-caged luciferin2022
Author(s)
Ryohei Ono, Ryo Kumagai, Ken-ichiro Kanno, Hiroshi Aoyama, Junko Usukura, Masataka Kobayashi, Hidefumi Akiyama, Hideyuki Itabashi, Miyabi Hiyama
Organizer
The 8th Quantum Science (QS) symposium, ICCMSE 2022-Computational Chemistry and Computational Physics, 2022
Related Report
Int'l Joint Research / Invited
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