グラフェンナノリボンの構造的特徴を活かした有機強誘電体の開発
Project/Area Number |
21K05038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 33010:Structural organic chemistry and physical organic chemistry-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
信末 俊平 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (80774661)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | グラフェンナノリボン / 強誘電性 / キラリティ / ヘリシティ / 機能性材料 / パイ共役分子 / エッジ構造 / ナノ炭素 |
Outline of Research at the Start |
グラフェンナノリボン(GNR)の一次元状に長いパイ共役骨格の構造的な特徴を活かし、新たな有機強誘電体の開発およびその特性発現のための学理の構築を目的とする。有機強誘電体として知られるポリフッ化ビニリデンは柔軟なsp3炭素からなるため無機物質と比較して自発分極の値は小さい。そこで、剛直なsp2炭素からなるGNR骨格を非対称に修飾することにより、大きな双極子モーメントをもつ有機強誘電体の開発を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、ジグザグ端をもち非対称に両端を修飾したグラフェンナノリボン(GNR)を合成する手法を確立させ、その手法を用いて種々のGNRを合成し、強誘電性を始めとする機能性材料として利用することを目的とした研究である。 GNRの合成法としては、主に金属表面上での合成が主になされてきたが、溶液合成によるGNRの創出は、その幅や部分構造を緻密に制御できる大きな利点があり、材料化学としてGNRの化学を発展させるためには、溶液合成を中心とした研究が求められる。 通常、GNRの合成としては、モノマー分子をポリマー化反応によって高分子前駆体とし、酸化剤を用いた脱水素環化反応によりGNRを得る方法が一般的に用いられる。しかし、酸化的な脱水素反応では、反応の過程でしばしば構造転移を起こすことが問題となっている。特に我々が提唱する非対称修飾を見据えた独自のZ型分子を用いた場合、高分子前駆体の分子骨格がフレキシブルであるため、酸化剤による一般的な脱水素反応では期待したGNRが得られなかった。そこで、パラジウム触媒を用いた炭素-炭素結合形成反応と酸化的な脱水素化反応を組み合わせることにより、目的とする非対称構造をもつGNRの合成を達成した。 この手法と新たな手法を用い、電子的に非対称な置換基を有する種々のGNRの合成に成功した。その物性測定から、非対称性に起因する分極の大きさ、電子状態と物性に関する知見が得られた。さらには研究提案の最終目的として掲げている、新たな機構に基づく強誘電性が発現することを予備的な測定ながら確認することができた。今後、その機構に関するさらなる証拠を集め、新たな学理の構築を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、機能性をもつGNRを得る足掛かりとなる非対称構造の合成手法を確立し、強誘電性を示すと予想されるGNRの合成に成功した。 高分子前駆体がフレキシブルな骨格から構成されているため、一般的な脱水素反応のみでは設計したGNR骨格が得られないことも当初から予想されていたが、二段階の結合形成反応を経ることにより目的となるGNR構造を合成することができた。さらに、合成したGNRは液晶分子中での測定により、目的とする提案内容に基づく強誘電性が発現することを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には申請当時の研究計画に従い、強誘電性を示すGNRの合成とその物性測定・その機能発現原理を追求することによる学理の構築を進める。 「現在までの進捗状況」で述べた通り、すでにヘリカルGNRを用いた強誘電性の観測に成功している。今後さらに追加の測定を行うことにより、提案の内容が正しいことを示すことにより、新たな学理を示すことを目指す。そして一連の研究を通じ、これまで構造学的な知見を得ることが主な研究対象であったGNR化学を、次世代機能性有機材料として応用することを目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)