多元触媒系脱水型アリル化による多点立体選択包括型アセト酢酸エステル合成
Project/Area Number |
21K05052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
田中 慎二 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (00529034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 正宏 愛知学院大学, 教養部, 教授 (90402453)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 不斉アリル化 / ジアステレオ選択的 / 脱水型反応 / ステレオダイバージェント / βケトエステル / パンクラチスタチン |
Outline of Research at the Start |
炭素炭素結合の形成は、有機化合物の合成における基礎反応である。「アセト酢酸エステル合成」はその代表例であり、古くから現在に至るまで利用され続けている。本研究では、この反応では立体選択的な3級炭素の構築ができない欠点に着目し、独自に開発した脱水型アリル化反応を展開することで、合計8つの立体異性体の中から、任意の化合物を選択的に合成できる新しい触媒系の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
1,3-ジカルボニル化合物は有機合成上きわめて重要な合成素子である。2位の炭素の高い酸性度から、弱い塩基で簡単に脱プロトン化し、対応するエノラート型アニオンを発生する。これを利用することで、簡単に炭素-炭素結合の形成が可能となる。さらに、その後の変換によりさらに複雑な有機分子への骨格変換も簡単である。もっとも有名といえる反応の一つであるが、不斉合成においては、2位のケトエノール平衡のしやすさから、立体選択的な結合形成が難しい。不斉アリル化反応においても例外ではなく、不斉アリル化の定番基質であるにもかかわらず、これまでに2位の立体を選択するためには、プロトンのない第四級不斉炭素を作るしかなく、第三級炭素を選択的に構築した例はなかった。このような中で我々は、独自に開発した、脱水型不斉アリル化に有効なルテニウム触媒と、βケトエステルの不斉アルキル化に実績のあるカチオン性BINAPパラジウム触媒とを組み合わせると、無置換のβケトエステルに対して、高いエナンチオ、かつジアステレオ選択性で対応するカップリング体を得ることができることを見出した。パラジウムがα位の、ルテニウムがアリル位の立体を選択するため、両触媒の立体を適宜組み合わせることによって、すべてのジアステレオマーを任意に合成できる。この成果を基盤として、基質適用性の拡大を目指し、種々の1,3-ジカルボニル化合物に対するジアステレオ選択的脱水型α位アリル化を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに得られた成果を基に、基質適用性の拡大の見通しを立てることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、基質の適用性の検証を進める。今後は、1,3-ジカルボニル化合物に限ることなく、エノラート形成可能な基質を標的として、ルイス酸触媒の再検討を開始する。さらに、連続合成による生成物の誘導化も検討する。反応機構解明研究も進める。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)