ハイブリッド型触媒系によるアルキルニトリルの革新的分子変換反応
Project/Area Number |
21K05063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
齊藤 誠 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 研究員 (10772866)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 触媒的不斉合成 / アルキルニトリル / 可視光酸化還元触媒 / 有機合成 / 不斉合成 |
Outline of Research at the Start |
申請者が以前開発したアルキルニトリル活性化機能を持つ錯体(ピンサー型ニッケル錯体)、および可視光酸化還元触媒を駆使し、「触媒1:アルキルニトリルのα-脱プロトン化」「触媒2:1によって生じるカルバニオン中間体の一電子酸化」の2機能からなるハイブリッド触媒系をデザインする。上記の触媒系を用いたα-ニトリルラジカルを経由する触媒的不斉炭素-炭素結合形成反応を開発することで、汎用化合物を原料とした幅広い有用キラルビルディングブロック群の触媒的合成法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、自らが開発したピンサー型キラルニッケル錯体と共存ブレンステッド塩基によるアルキルニトリル類の活性化、続く生じたアニオン中間体の可視光酸化還元触媒によるニトリルαラジカルの発生を軸とした新規不斉炭素-炭素結合形成反応の開発を軸に研究を行ってきた。ニトリルαアニオン中間体からの一電子酸化のステップが困難であるためか、目的の反応を進行させるには至っていないが、その研究途上、本触媒系によってアルキルニトリルがビニルケトンに対してエナンチオ選択的に付加することを見出した。コントロール実験によって本反応は可視光酸化還元触媒非関与で進行することが明らかになったものの、ピンサー型ニッケル錯体の化学に関する重大な知見を与えるものと考えている。現在エナンチオ選択性の向上に向けた検討を行っている。 一方、アセトニトリルなどのアルキルニトリルに代わり、より安定なαアニオンを生じるアリルシアニドを基質とした炭素-炭素結合形成反応への展開を試みた結果、カルボニル系の求電子剤との反応において興味深い知見が得られた。すなわち、アルデヒドへの触媒的不斉付加反応について申請者の開発したニッケル錯体を作用させたところ、完全なα選択性で反応が進行し、非常に高いエナンチオ選択性で目的物が得られることが明らかになった。現在はジアステレオ選択性の向上を目指した検討を行っている。一方でCF3ケトンについても同様の検討を行ったところ、さらに興味深いことに、反応条件の微細な差異によって反応の位置選択性が制御可能であることが明らかになりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要に述べたように、当初の目論見であった、ピンサー型ニッケル錯体と可視光酸化還元触媒によるdouble activationを軸とした分子変換については期待通りの成果には繋がっていないものの、 1)アルキルニトリルのビニルケトンへの触媒的不斉付加反応 2)アリルシアニドのアルデヒドへの位置選択的不斉付加反応 3)アリルシアニドのCF3ケトンへの位置選択的不斉付加反応 の3反応への展開を行うことに成功している。 1)については、アルキルニトリルを用いた触媒的不斉1,4-付加反応はこれまで例が少なく、高エナンチオ選択性を与えるものは皆無であるため、その研究成果の与える意義は大きいものと考えている。 2)は、申請者の所属する研究室において銅触媒を用いた先行的な研究が行われてきたが、その成果と今回のものは、反応の位置選択性において明確な差異がみられており、申請者の開発した触媒を用いることで、既存の手法では合成できなかった生成物が選択的に得られる。ひいては本触媒が同一の基質の組み合わせからの発散的な合成へと繋がると考えている。 3)については、同一の基質・触媒系を用いながら、溶媒・温度のみのチューニングによって生成物の位置選択性を制御できることが明らかになりつつある。この現象そのものの興味深さに加え、先と同様の発散的合成へと展開しうる合成的有用性、さらには生成物である含フッ素キラル化合物の応用性を鑑みると、本反応の重要性は非常に高いと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
可視光酸化還元触媒(PC)とピンサー型ニッケル錯体を駆使した有機合成に関しては、これまで掲げてきたニトリルαアニオンからのPCによる酸化から軸を移し、PCによる求電子剤前駆体の生成/ニッケル錯体による求核剤前駆体の生成を同時に実現する反応の開発を行っていこうと考えている。具体的な例としてはテトラヒドロイソキノリンを求電子剤前駆体に用いたMannich型反応などを想定している。また、本来の研究課題への取り組み途上に発見した反応に関しても継続的に研究を行っていく。特に2)3)に関しては、発散的合成への展開可能性(先述)などの面から研究を推進する意義が大きいため、継続的に選択性を高めるべく反応条件検討を継続していく。条件を確立した際には基質適用範囲の検討、生成物の有用有機化合物への変換などを行っていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)