Efficient photocatalytic CO2 reduction using reversible complexation of the first-raw transition metal complexes
Project/Area Number |
21K05082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 34010:Inorganic/coordination chemistry-related
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
竹田 浩之 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (70647065)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | CO2還元 / 光触媒 / Fe錯体 / 第一遷移金属元素 / ビピリジン配位子 / トリエタノールアミン / 第一遷移金属錯体 / 配位平衡 |
Outline of Research at the Start |
光エネルギーを用いたCO2の資源化は、エネルギー問題および炭素資源の観点から重要である。金属錯体は高効率なCO2還元光触媒として働くが、第一遷移金属錯体を用いた光触媒開拓は途上である。本研究では、「配位子の弱い配位能と脱着」を利用し、中酸化状態の第一遷移金属錯体による特異な高効率CO2還元光触媒系を構築する。中酸化状態の金属種と、配位能が抑制された芳香族ジイミン配位子(電子プール)を混合することで触媒とし、還元状態反応活性錯体の配位座確保によるCO2還元能の向上を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「第一遷移金属錯体の弱い配位能による配位子の脱着」を積極的に利用した新たな戦略に基づき、中酸化状態の第一遷移金属錯体による特異な高効率CO2還元光触媒系を構築することを目的としている。今年度は、主に次の3項目について検討を行い重要な知見を得ることができた。 1)昨年度見出した電子求引性置換基を有するbpy (2,2’-ビピリジン)系の配位子(L)と、Feイオンとの混合触媒において、Lとして必要な要素のさらなる知見を得た。すなわち、bpy系配位子に、金属配位に対する適度な抑制効果を及ぼす6,6’-ジメチル基を導入しなくてもCO2還元混合触媒として動作することがわかった。これは、これまでLとして用いられてきたphen (1,10-フェナントロリン)系配位子とは異なり、bpy系配位子では、2つのピリジン環間の結合軸回転により金属イオンへのキレート配位がphen系に比べ弱いためと推測された。 2)混合触媒の反応性に対する保護剤(P)の効果を調べるため、反応系中に共存させるトリエタノールアミン(TEOA)濃度を変化させ光触媒反応を評価した。この結果、TEOA濃度の減少に伴いCO2還元効率と選択性が向上した。一方、Feイオンは等量程度のTEOAにより錯体形成を進行した。TEOAは有機溶媒中CO2雰囲気下においてプロトン供与体となることから、Feイオンの保護のみならず混合触媒へのプロトン供給源として働いていることが強く示唆された。Feイオンとの配位能を弱めたN-メチルジエタノールアミン(DEOA)をPとした場合も同様であったが、CO2還元の効率は低下した。 3)Feイオン以外の第一遷移金属イオン(Cr, Mn, Co, Ni, Cu)との混合触媒構築を検討した。このうち、Coイオンとの混合触媒においてFeイオンと同様の原理によるCO2還元反応の進行が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度導入した装置類(光照射装置、生成物分析装置、および電気化学測定装置)の運用により飛躍的に研究を進めることができた。今年度は、昨年度より継続して配位子Lの調査を行うことにより、bpy系配位子を用いればFeイオンとの配位能を抑制するための誘導化を行わなくても混合触媒中Lとして動作させられることを見出した。また、保護剤Pに関する有用な情報を得た。すなわちTEOAは、金属イオンMの多座配位錯体形成による保護と、プロトン共役電子移動に必要なプロトン源としての2つの役割を同時に担っていることを明確化できた。共存させるTEOA濃度条件の最適化によりCO2還元活性は最大となり、CO2還元反応の効率化と選択性の向上が達成できた。また、配位部位を減少させたDEOAを用いても金属イオンMへの多座配位錯体形成能の顕著な減少は観測されなかったが、プロトン源としての性能低下が原因と考えられるCO2還元効率の減少が観測された。今後はこれら2つの役割を最適化したPを、TEOAの代わりに用いることで、より効率的な反応系が開拓できると期待する。さらに、金属イオンMとして、FeのみならずCoでもCO2還元混合触媒として動作することがわかった。今後、これまで最適化された条件をさらに絞り込み、反応系全体を最適化することにより高効率なCO2還元光触媒反応を達成できると考える。また、反応が進行しなかった金属イオンでの錯体形成保護や、酸化還元電位、反応活性種形成に関する情報を得ることで、CO2還元活性に必要となる配位子Lや保護剤Pの条件についても知見が得られると期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、保護剤Pの最適化を行うとともに、配位子Lの検証実験を行う。具体的には、保護剤Pとして、プロトン供与部位を有する多座アルコールアミンや、アミン部位を有さない多座アルコール配位子、ポリフェノール配位子を用いること、およびプロトン源の積極的な添加によりCO2還元反応の機構に関する知見を得るとともに反応の高効率化を目指す。また、配位子Lとして、単座ピリジンを活用した反応機構の検証を行う。さらに、金属種Mについて反応が進行しなかったCr, Mn, Ni, Cuに関しそれらの酸化還元電位を調べ、反応が進行するFeおよびCoとの差異を明確化する。
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Report
(2 results)
Research Products
(25 results)