Development of a novel detection method for whole bacterial cells using bacteriophages as recognition elements
Project/Area Number |
21K05113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 34020:Analytical chemistry-related
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
渡辺 茂 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 教授 (70253333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 淳平 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (20574619)
仁子 陽輔 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 准教授 (20782056)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 蛍光性ナノエマルション / バクテリオファージ / 蛍光顕微鏡法 / 細菌検出 / 高輝度 / 天敵ウイルス / 蛍光プローブ / 金ナノ粒子 / 磁性ナノ粒子 / 磁気分離 / 暗視野顕微鏡法 / 光散乱 / プラウモニクス / ナノエマルション / 光機能性ナノ粒子 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,バクテリオファージを多種多様な細菌を識別する“天敵ウイルス素子”と見なし,その優れた宿主認識機能を失わせることなく,光機能性ナノ粒子とのハイブリッド化技術を開発する。さらにファージの細菌認識現象をトリガーに,吸収・発光などナノ粒子の光学特性を著しく変化させる従来にない全く新規な検出原理を提案・実証し,瞬時に病原菌の検出を可能にする新しい迅速細菌検査法への応用をめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
感染症を取り巻く環境は,細菌性食中毒の集団感染,院内感染の多発や新興・再興感染症の発生など多様化しており,早期診断・治療および二次感染の予防には迅速な微生物検査が不可欠である。宿主細菌に対して特異的に感染するバクテリオファージ(“天敵ウイルス”)を機能性ナノ粒子とハイブリッド化することでPCR法や免疫検出法に代わる新たな細菌検出技術への応用が期待できる.高感度かつ高選択的な細菌検出法の開発には,検体中,検出したい細菌にのみ結合し,その情報を我々が検出可能な物理信号に変換するプ蛍光ローブの開発が不可欠である.これまでにファージと蛍光ナノエマルションから成る新たな細菌検出用蛍光プローブの合成に成功しており,本年度は蛍光ナノエマルション修飾ファージを利用した細菌の定性および定量検出について検討した. 蛍光ナノエマルション修飾ファージを各種細菌と混合後,蛍光顕微鏡を用いて観察した.試料中の細菌がファージの宿主細菌(S.aureus)である場合,宿主細菌から強力な蛍光が観察された.対照的に宿主以外の細菌(E.coli)と混合した場合,細菌から蛍光は観察されなかった.また宿主細菌(S.aureus)と同種の細菌S. pseudintermediusと混合したした場合も細菌から蛍光は観察されなかった.本手法は,細菌の属レベルのみならず種レベルでも選択的に細菌を検出できることが示された.さらに,本手法は1×104 - 1×108 CFU mL-1の範囲で定量検出が可能であり,検出限界値は8.3×104 CFU mL-1となることがわかった.また,蛍光像の時間依存性から“蛍光ナノエマルション”は,蛍光色素に代表される分子プローブとは異なり,耐光性に優れていることが明らかになった.以上の結果より本手法は,ファージを代えることによって多種多様な細菌を高選択的かつ高い信頼性をもって検出できる可能性を秘めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主要な分析機器である蛍光・暗視野顕微鏡が年度途中で故障し,修理を余儀なくされた.部品の一部については海外から取り寄せる必要があり,年度内に修理を終えることができなかった.そのため,当初の計画通りに実験を遂行することができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,ファージを多種多様な細菌を識別する“天敵ウイルス素子”と見なし,その優れた宿主認識機能を失わせることなく,機能性ナノ粒子と組み合わせることによって新たな細菌検出技術の開発をめざしており,3つの到達目標を掲げている. 【研究目標1】ファージ機能制御技術の開発:ファージは,細菌に感染し菌体を溶かして増殖するウイルスであり,ファージのライフサイクル(吸着,侵入,生合成,成熟,放出)のうち,吸着機能のみ発揮させる方法について検討する. 【研究目標2】高感度な細菌検出を指向した機能性ナノ粒子の創製:優れた光学特性と磁気特性の両方を兼ね備えた磁性-プラズモンハイブリッドナノ粒子や半導体ナノ粒子をも凌駕する高輝度蛍光性ナノエマルションを設計・合成する. 【研究目標3】ファージと機能性ナノ粒子を利用した新奇な細菌検出原理の実証:ファージの優れた細菌特異性とプラズモンナノ粒子の強力な光散乱特性や蛍光性ナノエマルションの高い発光特性を利用した新たな高感度・高選択的な細菌検出原理を提案・実証する. 本年度は,高輝度蛍光ナノエマルションとファージをハイブリッド化した蛍光ナノエマルション修飾ファージを利用した細菌検出に成功した.次年度は,すでに合成に成功しているファージ修飾磁性プラズモニックナノ粒子を用いて,細菌の磁気分離後,視野顕微鏡法を利用して高感度かつ高選択的に細菌を検出する方法について検討する.
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)