Fluorescence detection of hydrogen-bonding strength using ESIPT-type fluorescent probe
Project/Area Number |
21K05121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 34020:Analytical chemistry-related
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Research Institution | 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発 |
Principal Investigator |
阿久津 和宏 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発, 中性子科学センター, 副主任技師 (60637297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 聖治 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (50332549)
元川 竜平 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究主幹 (50414579)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 水素結合 / 蛍光プローブ / HBI / 中性子反射率 / 界面 |
Outline of Research at the Start |
水素結合は、化学結合の中でも極性と指向性を併せ持つ唯一の結合であり、そのためタンパク質や高分子などの3次元構造形成において重要な働きを担い、更には物質の諸物性にも大きく関与している。従って、簡易かつ精度の高い水素結合力分析法を開発することは、水素結合力の直接的な観測と新奇材料の設計・開発に繋がる。本研究では、励起状態分子内プロトン移動(ESIPT)型の蛍光プローブHBIによる水素結合力分析法の基礎的な方法論の構築に加え、本手法と中性子反射率法と組み合わせた革新的な多角的物質研究法を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、化学的相互作用の一つである‘水素結合力’を定量的に分析するための新手法の開発を目的としており、我々は蛍光分子2-(2’-hydroxyphenyl)benzimidazole(HBI)を用いた簡易かつ高精度な蛍光分析法による水素結合力解析法の構築を目指している。令和4年度は、(1)蛍光-中性子反射率同時測定装置の開発、(2)(1)のための実験試料の作製とテスト実験、(3)量子科学計算によるHBI発光メカニズム解明を実施しており、それらの結果について具体的な内容を以下に示す。 (1)蛍光-中性子反射率同時測定装置の開発:蛍光-中性子反射率同時測定用の試料ホルダーを作成し、蛍光スペクトル・中性子反射率どちらも問題なく測定できることを確認した。 (2)(1)のための実験試料の作製とテスト実験:石英基板上にHBIを導入したセルロース薄膜を製膜し、蛍光スペクトル・中性子反射率を測定した。湿度100RH%の状態でテスト実験を実施し、蛍光スペクトル/中性子反射率の両方のデータで矛盾の無い結果が得られている。また、水素結合力をより精度よく分析するためのHBI分子の高度化を並行で進めており、高度化HBIの合成に成功している。 (3)量子科学計算によるHBI発光メカニズム解明:HBIの発光プロセスに関与する化学種の最適化構造を検証し、TD-DFT法により、トルエン溶媒中におけるHBI誘導体の構造が最適化された。 上記のように、装置の開発及びテスト実験は順調に進んでおり、一部の成果については国際会議等で報告している。令和5年度は、実試料を用いた蛍光-中性子反射率同時分析を実施するとともに、その成果を論文等で報告する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、装置の開発及びテスト実験は順調に進んでおり、また高度化HBIの合成や量子科学計算研究等も計画通り進行している。一方で、量子化学計算との連携研究はやや遅れている状況であるため、今後は量子化学計算チームとの実験データの迅速な共有と議論を速やかに展開していく。令和4年度までに実施した実験・研究の成果については、国際会議棟にて報告している。総合的に見て、研究の進捗状況はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
上述した通り、令和5年度は蛍光-中性子反射率同時測定装置を用いた実試料による実験と量子化学計算との連携研究の促進が重要なポイントとなる。令和5年度前半は、蛍光-中性子反射率同時測定装置を用いた実試料による実験及び量子化学計算との連携が研究活動の中心となる見込みである。令和5年度後半は、研究活動の総括と学術論文誌等による成果公開に注力する。なお、中性子反射率実験についてはJ-PARC 生命科学実験施設(MLF)の実験課題が既に採択されており、実験に支障はない。令和5年度終盤には、HBIを用いた蛍光分析法による高精度な水素結合力解析の基礎的な方法・技術論を完成させる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)