Confocal X-ray analysis of the reaction process of ammonia production under normal temperature and pressure
Project/Area Number |
21K05132
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 34020:Analytical chemistry-related
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
江場 宏美 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (90354175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 政志 東京都市大学, 理工学部, 教授 (90328930)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | X線回折 / 結晶構造 / アンモニア / 化学反応過程 / 共焦点 / 蛍光X線 / アンモニア合成 / 反応過程 |
Outline of Research at the Start |
世の中に存在するさまざまな物質や材料では、複数種の物質の複合や組成の分布が見られる。化学反応が起きているような物質の系においても同様である。そのような試料の分析を可能とするため、共焦点型の光学配置により特定の微小領域の分析ができ、試料内部の結晶相や元素およびその化学状態の3次元分布を非破壊でその場観察できるX線分析装置の開発を進める。 この装置を、窒化鉄と炭酸水との反応による常温常圧アンモニア生成反応の反応過程の観察に利用する。反応中の固体表面付近の局所的変化として、結晶構造、酸化数の変化、元素移動、析出物とその分布等の観察により反応過程を理解し、アンモニア生成効率を向上させるための知見を得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、(1)複数の物質が複合したり内部に組成分布があるような試料について、その構成や分布を分析することのできる共焦点型光学配置のX線分析装置を開発し、化学反応の観察・解析に用いる。(2)窒化鉄と炭酸水との反応による常温常圧アンモニア生成反応の反応過程について、(1)の装置を用いながら観察し、結晶構造や酸化数の変化、分布等の観察により理解を進めアンモニア生成効率を向上させるための知見を得る、という目的で進めている。 まず(1)については共焦点型X線回折装置の設計を行い、従来より空間分解能を向上させるため焦点サイズの小さな集光素子(ポリキャピラリレンズ)について検討した。しかし強度を高くしようとするとビームの角度発散によりXRDパターンの角度分解能が低下する。このため、ポリキャピラリの角度発散は大き目に設計するものの、これにピンホールを組み合わせることで角度発散vs強度のバランスを調整可能とすることとした。ほかに、検出系を2θ走査しながら信号を計測するための制御システムの構築を進めた。 (2)については、(1)のX線装置による評価に先立ち可能な検討を進めた。反応条件による速度や物質量の変化の確認から、反応機構の解明、反応の促進方法について検討を行った。物質収支を確認して化学量論性を評価するとともに、反応速度の温度依存性から活性化エネルギーを求めた。また窒化鉄の格子定数の変化を確認し、それらの結果、侵入型化合物である窒化鉄の格子間からN原子が拡散、表面まで移動してH原子と反応すると解釈できることを示した。さらに反応系に炭酸塩やアルミナを添加すると反応速度およびアンモニア生成量が増加することを確認し、その機構として炭酸水素イオン濃度の増加や、また窒化鉄表面への炭酸鉄の析出抑制などの現象を予想し、考察することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共焦点型X線装置については、コロナ禍の影響によって物品の調達が遅れ、装置としての構築はまだ初期段階にある。同様にコロナ禍による研究室使用上の制約があり、全体としての進捗が予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)共焦点型X線分析装置について、ポリキャピラリレンズによるX線光学系の調整を進め、3つの分解能(焦点サイズ→試料空間、角度発散→回折パターン、強度→時間や深さ)のバランスを考え、最適化・改良を行っていく。ポリキャピラリを用いる共焦点(0次元)だけでなく、スリット系による1次元(線状)の共焦点の形成により、角度発散を抑えつつ強度を稼ぎ、板状試料についての分析についても可能性を検討する。焦点サイズ(スリット幅)を調整・最適化していき、固体表面から進行する化学反応の観察・追跡がどのように行えるかを評価していく。 (2)アンモニア生成反応の反応過程については、X線利用に限らずさまざまな観察を行っていく。窒化鉄FexNと炭酸水との反応では、生成するアンモニア/水素の比が、FeとNとの比から考えられる反応式と異なり、また温度等の条件によって変化すること、さらに窒化鉄の組成によって反応速度が異なることが確認されており、窒化鉄の結晶構造と結晶格子間のNの拡散・移動現象の違いにあると考察している。またアンモニア生成の活性化エネルギーの小ささからNの挙動が鍵となっていると予想されるが詳細は不明である。反応条件を様々に変えながら分析することで、反応過程や炭酸水の役割を詳細に調べアンモニア生成速度をさらに向上させるための検討を進める。特にX線回折法によって、Nの拡散による組成x(格子定数)の変化の検出と、また結晶内の歪と反応性との関係、さらに炭酸鉄や副生物の析出・成長の様子、形態を観察し、それらの反応条件による変化を観察することで、反応の実際についてデータを集めていく。 研究代表者は主として共焦点型X線装置や試料セルの構築と最適化、X線分析を、研究分担者は試料調製、その他の分析を実施し、X線分析の結果との比較・評価や、裏付けデータの取得を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)