Project/Area Number |
21K05137
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 34020:Analytical chemistry-related
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Research Institution | Comprehensive Research Organization for Science and Society |
Principal Investigator |
水沢 多鶴子 一般財団法人総合科学研究機構, 中性子科学センター, 研究員 (90624536)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | 表面・界面分析 / 元素分析 / 中性子 / ガンマ線 / 界面 / 全反射 / ガンマ線分光 / 固液界面 / 吸着構造 |
Outline of Research at the Start |
電解質水溶液中に存在するナトリウム、カリウム等の軽金属イオンは電気二重層に吸着し、電荷移動反応や拡散過程に影響を及ぼす。電極反応を制御するためにはこれら軽元素イオンの吸着構造及びその変化を理解する必要がある。界面の元素分析には通常は全反射蛍光X線法が使われるが、固液界面に存在するこれらの軽元素イオンの場合は信号となる蛍光X線の減衰が大きく適用することは困難である。本研究では中性子線をプローブとして用い中性子と試料との核反応で生じるγ線を検出する全反射中性子線利用γ線分析法を開発し、電極/電解質界面に存在する軽元素の吸着構造を解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では中性子反射率法に全反射蛍光X線法(TXRF)の手法を応用し、中性子の鏡面反射により表面近傍の原子との核反応により生じるγ線を検出することで界面の元素分析を行う方法を開発する。試料に対向するようにγ線検出器を設置し、中性子の全反射が生じる条件で試料から発生するγ線を測定する。これにより、TXRFでは困難な深く埋もれた界面に局在する軽元素の分析に適用する。2022年度までの実験では、シリコン基板の表面もしくは界面に作成した厚さ数マイクロメートルのIn合金薄層中のInを分析できることを確認した。2023年度の実績は下記のとおりである。 (1)バックグラウンドをさらに低減させ、検出感度の改善を図った。JRR-3の単色中性子を利用する場合は、ビームライン後方を含む周辺からのγ線のバックグラウンドを遮蔽する必要があった。一方、J-PARC MLFでは白色中性子の高エネルギー成分が要因となるγ線を上流で遮蔽した。また、γ線検出器周辺のγ線の遮蔽を増強した。Si/In-Ga合金界面のInについて、即発γ線スペクトルのs/b比を改善した。 (2)界面の吸着元素の定量分析について検討した。In、Smなどについて付着量が異なるサンプルについて中性子を全反射条件で照射しγ線を測定することにより、界面に局在する元素の定量分析の可能性を調べた。その結果、J-PARC MLF及びJRR-3 SUIRENのいずれの装置においても100マイクログラムレベルの分析が可能であることがわかった。 (3)Si基板の下のIn-Ga合金層の深さ方向の分析を検討した。JRR-3の単色中性子線ではInの全反射臨界角の前後で視斜角を変化させ、その照射条件でのγ線スペクトルを測定した。J-PARC MLFでは、視斜角を固定として白色中性子のTOFを選択、その時刻に発生したγ線を測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
保留2023年度前半の実験は審査の結果保留となり、実施に至らなかった。そのため、実験の進捗に遅れが生じている。保留された理由は、本手法が界面に局在するインジウムの分析が可能になったが、微量の軽元素の検出という現実の課題に未だ応えるに至っていないことである。軽元素と中性子の反応断面積の多くは1barn以下で、界面に吸着したそれらの物質は微量であるため、さらに測定条件を改善していく必要がある。2024年度のJ-PARCのマシンタイム申請では、界面の軽元素分析に向けてさらにバックグラウンドの低減など測定条件の改善を行うとともに、本手法の現在の感度を生かした分析を提案する。
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Strategy for Future Research Activity |
J-PARCでは中性子減の出力が1MWに近づいており、γ線の信号強度増大が期待される一方、遮蔽強化は重要である。J-PARC MLFでは白色中性子を使用するため、全反射に寄与しない高エネルギー中性子が光軸上で散乱され、γ線を発生させる。一方、原子炉では、単色中性子を使用しており、中性子の遮蔽はよいが、周辺から到達するγ線バックグラウンドに注意を要する。年に数回の中性子ビームを利用した実験では遮蔽対策の試行は困難であり、遮蔽試験が検出器にダメージを与える可能性がある。そこで、レイトレースのシミュレーションプログラム等を用い、実験条件を最適化したうえで実際の測定に臨むように計画する。 現段階では検出感度は完全ではないが、TN-γは埋もれた界面の軽元素分析が可能な稀有な方法である。現在の性能で実用試料への応用を調査、試験する。
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