π共役ポリマーの一次構造と電荷輸送特性の真の相関解明に関する研究
Project/Area Number |
21K05167
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35010:Polymer chemistry-related
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Research Institution | Sagami Chemical Research Institute (2022) Kyoto University (2021) |
Principal Investigator |
脇岡 正幸 公益財団法人相模中央化学研究所, その他部局等, 副主席研究員 (50598844)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ホモカップリング / 構造欠陥 / 電荷輸送特性 / 直接的アリール化 / パラジウム触媒 / π共役ポリマー / 高分子合成 / 触媒化学 / 半導体物性 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、π共役ポリマーについて、(1) ホモカップリング欠陥が電荷輸送特性に及ぼす影響、(2) 一次構造と電荷輸送特性の真の相関を明らかにする。具体的には、高い電荷輸送特性を示す既知のポリマーのうち、ホモカップリング欠陥を多く含むものを選定し、合成する。そして、その電荷輸送特性について、構造制御されたポリマーと比較する。さらに、得られた知見を元に、π共役ポリマーの電荷輸送特性の向上を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
π共役ポリマーの電荷輸送特性は一次構造に強く依存するにも関わらず、一次構造を大きく変える構造欠陥(ホモカップリング欠陥)の影響は、ほとんど考慮されてこなかった。本研究では、ホモカップリング欠陥が電荷輸送特性に及ぼす影響と、一次構造と電荷輸送特性の真の相関を明らかにすることを目的に検討を進めている。初年度は、(1)高い電荷輸送特性を示す既知のポリマーのうち、ホモカップリング欠陥を多く含むものの選定とその合成、(2)(1)で選定したポリマーを構造制御合成する手法、(3)構造制御合成を可能とする新たな高選択的重合触媒の開発について検討した。2年目は、(1)(2)で合成したポリマーの特性評価、(3)の反応機構解析を行った。 (1)(2)について、初年度には高移動度を示すことが知られているポリマーP1 (36%のホモカップリング欠陥を含む) とホモカップリング欠陥をほとんど含まない(<2%) ポリマーP1*が得られた。2年目ではこれらのポリマーのOTFT特性を比較した。その結果、欠陥を多く含むP1の方が最大で40倍程度高い正孔移動度を示すことがわかった。また、薄膜構造を調べたところ、P1の方が高い結晶性を示すことがわかった。正孔移動度における差は薄膜構造の違いを反映したものであり、また、ホモカップリング欠陥が結晶性の向上に寄与していることが示唆された。 (3)について、初年度に開発した塩化アリールによる直接的アリール化用の高活性混合配位子触媒について、その作用機構を明らかにした。すなわち、配位子として使用したXPhosとP(2-MeOC6H4)3は、それぞれC-Cl結合活性化とC-H結合活性化に寄与し、それらの配位子が速やかに交換することにより反応が円滑に進行していることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、π共役ポリマーのホモカップリング欠陥が材料特性・電荷輸送特性に及ぼす影響を明らかにできた。また、高活性混合配位子触媒についてその作用機構を明らかにし、さらなる発展のために重要な知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに得られた知見をもとに、高い電荷輸送特性を有するπ共役ポリマーを合成し、その評価を行う。また、高活性混合配位子触媒については、その概念の一般性を検証するとともに、基質適用範囲の拡大を狙う。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)