Project/Area Number |
21K05195
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35020:Polymer materials-related
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石毛 亮平 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (20625264)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
|
Keywords | 全芳香族ポリイミド / 加熱延伸 / 液晶 / 逐次相転移 / 放射光X線散乱 / 放射光X線散乱法 / 液晶逐次相転移 / 階層構造 / 配向秩序 / 時分割偏光分光測定 |
Outline of Research at the Start |
液晶相を経由した分子鎖配向誘起は半結晶性の機能性高分子全般の配向に普遍的な現象であると推測される.ただし,紡糸時に液晶相が観測されるPET繊維等,高強度が実現していない例も見られ,これは絡み合い点が非晶部に残存し,強度低下を招くためとされる.すなわち液晶相発現は主鎖配向制御・高強度の実現に必要だが十分条件ではなく,配向後の絡み合い除去の必要性が示唆される.イミド化に伴って持続長が発散し絡み合いの消失が期待されるPIは,配向制御に基づく高機能化に最適な系といえ,本研究を通じて配向制御に基づく高機能性高分子創出に不可欠な基盤的知見が獲得できる.
|
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの結果を基に,ポリアミド酸(PAA)前駆体が中間相を発現するための要件の解明を図った.これまで主に,ピロメリット酸と置換ベンジジン(TFDB)骨格からなる含フッ素全芳香族ポリイミドのPMDA-TFDBの前駆体PAAの加熱延伸過程を検討してきた.これとの比較としてビフタル酸骨格からなるsBPDA-TFDBの前駆体PAAの延伸を試みところ,延伸過程での顕著な配向挙動は観測されず,配向ポリイミド試料を得ることは出来なかった.sBPDA-TFDBの前駆体PAAは屈曲した異性体(3,4体,3,3’体)の分率が75%であり,屈曲した異性体(メタ体)の分率が50%のPMDA-TFDBの前駆体PAAに比べて高い.これが中間相の発現を阻害し,また屈曲形態がイミド化過程で固定化されることにより,焼成後の試料で顕著な配向が観測されなかったと考えられる.遠赤外分光法を実施したところ,このポリイミドのsBPDAのビフェニル部のねじれ(二面角)は固体中で100度前後であることが判明し,上記の考察を支持する結果を得た.さらにPDMA-TFDBの延伸配向試料をダイヤモンドアンビルセルに充填し,高圧下におけるhk0面間隔および配向変化を放射光・広角X線散乱(SR-WAXS)測定により追跡した.配向を維持したままhk0面間隔が収縮する様子が捉えられるとともに,結晶-非結晶の長周期に起因する散乱は圧力上昇とともに消失した.現在,SR-WAXSの結果について詳細な解析を進めている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一部の実験で再現性が取れず,その原因究明に時間を要したため.
|
Strategy for Future Research Activity |
小角X線散乱測定で観測された長周期構造について,物性の側面から検証する.具体的にはフィルム配向方向の熱拡散率測定を実施し,長周期構造と熱拡散率の相関を検討する.超高分子量ポリエチレンにおいては,結晶-非晶ラメラ構造の周期と,熱輸送の担い手であるフォノンの平均自由工程がほぼ同スケールであると報告されている.本研究で作製したポリイミド配向試料についても,同様の熱計測を行い,熱拡散率の観点から結晶-非結晶(液晶ガラス)界面の性質について議論する.
|