高効率水素製造を可能とするガス分離セラミックス多孔体に関する研究
Project/Area Number |
21K05265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 36020:Energy-related chemistry
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Research Institution | Japan Fine Ceramics Center |
Principal Investigator |
高橋 誠治 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 特任主席研究員 (90236290)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 水素製造 / ガス分離 / 多孔体 / アルミナ / 水素 / 分離 / 噴霧熱分解 |
Outline of Research at the Start |
水素は主に水蒸気改質反応により合成され、圧力スウィング法や低温蒸留法により分離され、商用化されている。より効率的に水素を分離する新方法の一つとして、数十nmの孔径の多孔体中で、水素と二酸化炭素を非常に低コストで分離する研究がなされている。均一孔径で高気孔率の多孔体を作製することが困難であることから実用化が困難となっている。申請者らは、多孔質球状粒子を原料として用いることで、高気孔率でサブミクロンの孔径を有するアルミナ多孔体の合成に成功している。この技術を応用展開することで、上記の高透過率の水素分離多孔体に適合可能かを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
水素製造の主流は、ナフサなどの水蒸気改質反応により合成され、圧力スウィング法や低温蒸留法により水素が分離され、商用されている。より効率的に水素を分離するために、ポリマー膜、パラジウム膜、非晶質シリカ膜などが検討されているが、さらに効率的かつ低コストの方法が望まれている。多孔体の孔径を数十nmに制御することで、水素と二酸化炭素を分離する研究がなされており、この方法であればその目標を達成できる可能性がある。申請者らは、多孔質球状粒子を原料として用い多孔体を合成することで、均一分布したサブミクロンの孔径の多孔体の合成に成功している。これら技術を融合させることで、量産可能な高効率水素分離多孔体の製造が可能と考えられ、これを目的として研究を行った。 多孔体の成分として、構造セラミックスとして実績のあるアルミナを用いた。アルミナ多孔質球状粒子は噴霧熱分解法で合成した。原料として、硝酸アルミニウム9水和物、クエン酸、アンモニア水をもちいて、溶液を超音波振動子によってミスト化する。ミストを一定流量の空気で、高温に保持した電気炉に導入し、出口側に用意した捕集器で粒子を回収する。粒子を仮焼後、成形し、1100℃2時間焼成することで、α-アルミナ多孔体を得た。アルキメデス法により開気孔率約60%, 吸着等温線から孔径ピーク100nm程度の多孔体であることがわかった。 現在、さらに孔径ピークを数10nmとするための粒子の処理方法を検討するとともに、ガス透過特性の評価の準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
噴霧粒子の後処理として、熱処理後、ボールミル粉砕する方法と、イオン交換水で洗浄後仮焼する方法を行ってきたが、洗浄する方法のほうがより細かい孔径となることがわかった。また、洗浄により数μmであった球状二次粒子は数100nm程度の不定形の粒子となっていることがわかった。これにより、アルミナ粒子の微粒化が可能となったので、今後は焼結体の孔径分布の検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
噴霧熱分解法で合成した粒子をイオン交換水で洗浄し、アルミナ一次粒子分散スラリーとし、乾燥し、前駆体原料とする。この原料を種々の熱処理条件で処理し、気孔率と孔径分布との関係を明確にする。 得られた多孔体について、種々のガスの透過率を評価し、ガス分離性能の可能性について考察する。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)