三脚型キノン-シアニン色素の特徴を活かした4重鎖核酸イメージング蛍光色素の開発
Project/Area Number |
21K05309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 37030:Chemical biology-related
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
坂本 隆 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (80423078)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 4重鎖核酸 / 細胞内蛍光イメージング / 蛍光プローブ / 近赤外蛍光 / キノン-シアニン色素 |
Outline of Research at the Start |
4重鎖核酸(G4)は、遺伝子発現の制御や疾患への関与が指摘され、その機能解明が求められている。G4の細胞内蛍光イメージングはこれに大きく貢献すると期待されるが、これを可能とする蛍光プローブの開発は道半ばである。 本研究では、研究代表者が独自に開発した三脚型キノン-シアニン蛍光色素の特異な蛍光特性(2重鎖DNAとG4 DNAに異なる色の蛍光で応答)の詳細を調査し、細胞内G4プローブとしての有用性を検討する。本研究の達成により高性能なG4プローブを創出できれば、細胞内G4の位置や量の時空間的解析が可能となり、G4の生体機能や、G4が関わる疾患の解明に大きく貢献できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
4重鎖(G4)に代表される核酸の非標準構造は、遺伝子発現制御や疾患への関与が指摘され、その機能解明が求められている。G4の細胞内蛍光イメージングはこれに大きく貢献すると期待されるが、最も重要な「蛍光プローブ」の開発は道半ばである。本研究では独自開発した蛍光色素QCy(MeBT)3について、「(A)その蛍光特性の詳細と細胞内4重鎖(G4)核酸イメージング能力」および「(B)QCy(MeBT)3の効率的な誘導化法と、より高性能なG4核酸プローブの化学構造」を明らかにすることを目的とした。 令和4年度は(B)について重点的に研究を進め、以下の4点を明らかにした。(1)QCy(MeBT)3のMeBT(N-メチルベンゾチアゾリウムカチオン)部分は、種々のN-アルキルベンゾチアゾリウムカチオン(RBT)に容易に変換可能。(2)RBTとしてN-ベンジルベンゾチアゾリウムカチオンを用いたQCy(BnBT)3は、G4選択的な蛍光プローブとして働く。(3)QCy(BnBT)3(ex/em: 570/800)の蛍光波長は、QCy(MeBT)3(ex/em: 570/700)と比較して100 nm近くレッドシフトし、200 nmを超える大きなストークスシフトを示す。(4)QCy(BnBT)3を用いることで、細胞内のG4核酸の選択的イメージングが可能。 以上の研究成果について、日本ケミカルバイオロジー学会第16回年会などの国内学会(6件)、国際学会(ISNAC2022)(1件)での報告を行なった。また、これらの成果の一部をまとめた論文(Chemistry Letters, 51(12), 1139-1142 (2022))がCove PictureおよびInside Coverに採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の2つの目的(「QCy(MeBT)3の蛍光特性の詳細と細胞内4重鎖(G4)核酸イメージング能力の評価」「QCy(MeBT)3の効率的な誘導化法と、より高性能なG4核酸プローブの化学構造の解明」)のうち、種々の誘導体化を試みることによる、より高機能なG4核酸プローブ(QCy(BnBT)3)の獲得に成功していること、また、これらの成果を学会発表で報告済みであることから、「おおむね順調に進展している」と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的(A)については、令和3年度でほぼ終了し、また、研究目的(B)については、大きな進捗が見られ、高機能なG4核酸プローブ(QCy(BnBT)3)の獲得に成功している。令和5年度は、QCy(MeBT)3誘導体化合物ライブラリの構築を重点的に進める。具体的には以下の3つの観点から研究を進める。 (1)2-メチル-N-アルキルチアゾリウムカチオン(RT)誘導体の化合物ライブラリの構築(2)QCy(RT)3の合成条件の最適化およびQCy(RT)3ライブラリの構築(3)構築したQCy(RT)3誘導体化合物ライブラリからの高性能G4プローブのスクリーニング 以上から、より高性能なG4イメージング蛍光プローブの化学構造を明らかにする。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)