放射線抵抗性細菌のDNA損傷認知に基づくPprI依存的DNA損傷応答機構の解明
Project/Area Number |
21K05356
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38020:Applied microbiology-related
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 勝也 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 上席研究員 (90370402)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | DNA修復機構 / PprIタンパク質 / Mn輸送 / 放射線抵抗性細菌 / デイノコッカス・ラジオデュランス / DNA損傷応答機構 / DdrOタンパク質 / Mn / 環状ヌクレオチド |
Outline of Research at the Start |
放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスの効率的なDNA修復を担うDNA損傷応答機構において、DNA修復タンパク質の発現誘導などの分子機構は十分に解明されていない。そこで本研究は、DNA損傷応答機構におけるスイッチタンパク質であるPprIの活性化に着目し、DNA損傷の認知やシグナル伝達経路について解析を行うことで、ラジオデュランスのDNA損傷依存的なDNA修復タンパク質の発現誘導の分子機構を明らかにする。これらの研究を通して、生命維持の根幹機能であるDNA修復機構を解明し、有用遺伝子資源としての利用や生命科学分野の新たな研究開発の展開に貢献することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのDNA損傷応答機構において、PprIタンパク質は、DNA損傷に関係なく構成的な発現をしていることから、DNA損傷時に、PprIタンパク質を活性化する機構の存在が示唆される。PprIタンパク質は活性中心にMnを配位することでメタロプロテアーゼ活性を有する。そこで、PprIタンパク質の活性化に関連が示唆されるMnの細胞内への輸送及び細胞外への排出に関わるタンパク質をコードする遺伝子(DR1709及びDR2523)に着目し、これら遺伝子を破壊することで、DNA損傷応答機構への影響について解析を試みた。具体的には、DR1709及びDR2523遺伝子の上流及び下流の領域(800bp程度)をそれぞれPCR増幅した各DNA断片で、カナマイシン耐性遺伝子カセットを連結することで遺伝子破壊用DNA断片を作製した。得られたDNA断片を用いてラジオデュランスの野生株を形質転換し、2種のMn輸送欠損変異株を作製した。細胞内Mn蓄積量と増殖への影響を調査したところ、Mn輸送欠損によって、野生型よりも増殖に遅延がみられた。DR1709欠損変異株の増殖遅延は、細胞内へのMn輸送量の減少によると考えられた。一方、DR2523欠損変異株の増殖遅延は、細胞外へのMn排出の低下により細胞内Mn蓄積が過剰となり、増殖に遅延がみられたと考えられた。さらに、Mn輸送欠損株について、ガンマ線に対する感受性を測定した。その結果、2種のMn輸送欠損株はいずれも、野生型と比べて非常に感受性を示した。また、培地へのMn添加によって、野生株及びMn輸送欠損株いずれもガンマ線耐性の向上がみられた。しかし、野生株と2種のMn輸送欠損株との感受性の差異は大きく変わらなかった。このように、細胞内Mn蓄積量の変動によって、DNA損傷応答機構に大きな影響を及ぼすことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、PprIタンパク質の活性化に関連が示唆されるMnの輸送に関わる遺伝子群の欠損株の作製、及びDNA変異原に対する影響を評価するなど、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したMn輸送欠損変異株を用いて、DNA損傷後の細動内Mn蓄積量の変動、及びルシフェラーゼ遺伝子発現を指標としたレポーターアッセイを実施することで、PprIタンパク質の活性化に与える影響について解析し、デイノコッカス・ラジオデュランスのPprIタンパク質依存的DNA損傷応答機構の全容解明に向けた研究を推進する。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)