Structure elucidation of tea thearubigin
Project/Area Number |
21K05421
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
柳瀬 笑子 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (60313912)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | カテキン / テアルビジン / ポリフェノール / 酸化反応 / 構造解析 / LC/MS / 多変量解析 / 紅茶 / 紅茶ポリフェノール / 高分子ポリフェノール |
Outline of Research at the Start |
紅茶は抗酸化や抗腫瘍など多くの機能性が知られている。これらの機能性は紅茶の製造工程で生成する高分子ポリフェノールであるテアルビジンが担っているといわれている。しかしながら、テアルビジンは、紅茶中に複雑な混合物として存在しており、化学研究で良く用いられる機器分析などが困難であることから、その化学構造は推定構造にとどまっている。本研究では、食品加工中における変化を化学反応と位置付け、その反応性や生成中間体の化学構造を明らかにし、その情報をもとに、化学的根拠に基づいたテアルビジンの分子構造を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、紅茶製造過程で生成する高分子ポリフェノール「テアルビジン」の構造解明を最終目的として行っている。テアルビジンは分子量2000程度の重合体であるといわれており、多くの推定構造が提案されている。しかし、テアルビジンはHPLC分析やNMRにおいて“瘤状”に観測され、分離・構造解析が困難であることから未だ明確な構造は明らかにされていない。本研究では、紅茶加工をポリフェノールの化学反応の場であると捉えて、反応中間体の構造やその反応性を明らかにすることでテアルビジンの構造解明を目指している。本年度は、昨年度、紅茶の各製造工程サンプルのLC/MS分析データを用いた多変量解析により抽出したテアルビジン生成中間体候補化合物の単離及び構造決定を検討した。酵素を用いたカテキンのモデル酸化反応を行い、これらの候補化合物の生成を確認したところ、10種類について溶出時間とMS/MSデータが一致した。そのためこれらの化合物の大量調製を目的に、反応条件を検討し、生成した化合物の単離構造決定を行った。その結果、それらのうち3種類について構造決定に成功した。さらにそれらの反応性について検討を行った。ところ、これら3種はモデル酸化反応によってさらに反応が進行し、新たな化合物に変化することが明らかになった。現在その構造決定に取り組んでいるところである。 また昨年度選抜した化合物の紅茶製造過程における生成の再現性の確認のために、本年度についても紅茶の試験加工を行っていただき、昨年度同様にLC/MS分析及び多変量解析を行った。その結果、生成量の増減はあるものの同様の候補化合物の生成が確認され、加工中の化学変化の再現性を確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、昨年度にテアルビジンの生成中間体の候補化合物として選択した26種類ののうちカテキン類を市販のポリフェノールオキシダーゼで酸化することにより生成することが確認された10種類について構造決定を行う予定であった。10種のうち3種類については、EGCg2分子がB環部同士で縮合したテアシネンシン、デヒドロテアシネンシン、及びエビガロカテキン3-O-ガレートキノン2量体であった。これらはいずれも既知化合物であり、目的としていたB環部以外が関与した新たな結合様式を持つ化合物ではなかった。そのほかの7種については、単離構造決定にいたなかったことから、研究の進捗はやや遅れているとした。一方、同定したテアシネンシン及びエビガロカテキン3-O-ガレートキノン2量体について、これらの化合物が生成中間体であるならば、重合化が進みテアルビジンへと変化すると仮定し、モデル酸化反応を行った。その結果、テアシネンシンから1種の、エビガロカテキン3-O-ガレートキノン2量体からは2種類の生成物が得られ、現在その構造決定を行っている。しかしながら、そのLC/MSの結果からは、期待した分子間における重合化反応は確認されず、分子内変化であると推定された。
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度は、残り7種の中間体候補化合物について、順次構造決定を行う。これまでに構造決定した3種類はいずれも既知化合物であった。そのため、既知化合物の可能性を排除する目的で、LC/MS/MSデータを用いた分子ネットワーク解析を行う。分子ネットワーク解析ではデータベースを基にしたアノテーションが可能である。また、また類似のMS/MSフラグメントパターンを有する化合物についてはネットワークを形成するため、未知化合物の構造決定が容易になると推測される。この手法を用いることにより、残り7つの化合物の構造決定をできるだけ早く完了する。構造決定した化合物について、酸化反応の反応性の評価及び生成メカニズムの考察を行い、テアルビジンの生成反応機構及びその部分構造の推定を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)