カンピロバクターの新たな運動性評価法の開発と運動阻害物質のスクリーニング
Project/Area Number |
21K05446
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
澤井 淳 神奈川工科大学, 健康医療科学部, 教授 (80288216)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | カンピロバクター / 食中毒 / 移動性 / 運動性 / バイオフィルム / 抗菌物質 / ろ紙 / 運動性評価 |
Outline of Research at the Start |
細菌性食中毒においてカンピロバクターの発生件数は現在1位であり、効果的な対策が見つかっていない。本菌は極めて高い運動性を有するが、本研究では、従来の2次元での細菌の運動性評価ではなく、濾紙を利用し食肉・食材中への移動を想定した細孔中での3次元条件下での運動性+バイオフィルム形成能の評価方法の確立をする。この評価方法を利用し、カンピロバクターの運動性の阻害に有効な天然抗菌物質あるいは物理的処理をスクリーニングし、食肉への侵入阻害ができるかどうか検討し、カンピロバクターの新たな制御手法を提示することを最終目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
カンピロバクター(C. jejuni)は、極めて高い運動性を有し、表面から食品内部へ移動することから、食中毒の防止にはC. jejuniの運動性を阻害することが有効である。2021年度では、従来の2次元での細菌の運動性評価ではなく、濾紙を利用し食品中への移動を想定した細孔中での3次元条件下でのカンピロバクターの運動性+バイオフィルム(BF)形成能の評価方法の確立ができた。 2022年度においては本法を利用し、C. jejuniの運動性の阻害に有効な天然抗菌物質等のスクリーニングを行った。天然抗菌物質としてタイムチモール、オレガノワイルド等を使用した。比較対照として、70%エタノール及び次亜塩素酸Na(200ppm)を使用した。C. jejuni ATCC 29428をCCDA培地に塗布し培養した。形成したコロニーの上に0.45 μmのニトロセルロース製ろ紙をのせた。シャーレの蓋に調製した抗菌物質溶液を染み込ませたペーパーディスクをのせ、蓋をした。CCDA培地にパラフィルムを巻くものと巻かないものを分けて作り、培養(微好気性条件, 37 ℃, 48 h)した。培養後、CCDA培地のろ紙上のコロニーを観察した。なお、1枚のペーパーディスクに対し100 μLの抗菌物質溶液を染み込ませ、1 ~ 3 枚蓋に置いた場合を検討した。また、アルコール及び次亜塩素酸ナトリウムは300μLをシャーレ上のコロニーに吹きかけ、その後にろ紙を置いた。 結果として、オレガノワイルド、タイムチモール、ユーカリ油、カルバクロールは揮発してC. jejuniの運動性を阻止した。一方、消毒剤として使用されているアルコール及び次亜塩素酸NaはC. jejuniを阻止できず、ろ紙上にコロニー形成が確認された。以上の結果より、本評価方法によりC. jejuniの運動性阻害物質のスクリーニングが可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、2021年度において開発した本評価方法が、カンピロバクターの運動性を阻害する抗菌物質のスクリーニングに適用可能かを検討することが目的であった。 天然抗菌物質として、オレガノワイルド、タイムチモール、ヒノキチオール、カプサイシン、ポリリジン、イソチオシアン酸アリル、ユーカリ油、カルバクロールの8種について検討し、フェノール骨格を有する天然揮発性成分が、カンピロバクターの運動性を阻害するのに有効であることが分かった。さらに70%エタノールや次亜塩素酸ナトリウム(200ppm)は、実際に使用されているにもかかわらず、阻害効果が認められず、有効な手段と言えないことも分かった。これは、昨今のカンピロバクターの食中毒の発生件数の多さとも一致している傾向と考えられた。物理学的な手法も考えたが、実プロセスに導入するには難しいと考え、今回は行わなかった。 以上より、今年度の目的は、ほぼ達成されており、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果を踏まえ、2023年度は以下に示す計画ですすめる。 実食肉における評価(2023年度):2022年度のスクリーニングの結果を踏まえ、食肉表面にC. jejuni を塗布する。天然抗菌物質および物理的処理を行い、ろ紙を載せ培養し、運動性が阻害できているかどうか検討する。また食肉表面をトリミングし菌体が食肉内部へ侵攻しているか、C. jejuni の菌数を測定し、未処理のものと比較する。また2022年度におこなった天然抗菌物質のスクリーニングも並行して実施する。以上、3年間の成果をもとに、運動性を阻害するという新たなカンピロバクターの制御方法を提示することを目的とする。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)