大腸癌モデルマウスにおけるフラボノイドの腫瘍・脂質代謝・免疫系におよぼす効果
Project/Area Number |
21K05493
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
日野 真一郎 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (00372699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 知香 中村学園大学, 栄養科学部, 助手 (80783125)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | Wnt/β-カテニン経路 / フラボノイド / 腫瘍 / 脂質代謝 / 免疫 |
Outline of Research at the Start |
マウス食餌中の栄養成分の制限と薬物等の併用により、相乗的に抗癌作用の効果を高めるという報告が複数なされ、食と薬による抗癌作用に対し世界中が注目している。これらは栄養成分の管理の重要性を意味しているが、食物に含まれる様々な因子が細胞内でどのように作用するかは不明な点が多く、分子レベルでのさらなる作用機構の解明が強く求められている。本研究では、食物に含まれるポリメトキシフラボンにより、マウスの生体内で大腸癌を予防できるかを検証する。フラボノイドの新規作用メカニズムを生体内で証明できれば、栄養学分野におけるエビデンスの証明ならびに癌予防の発展に寄与することができる。
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Outline of Annual Research Achievements |
5,7,3’,4’-(tetra-methoxyflavone: TMF)を大腸癌モデル動物APC変異マウスへの長期間経口投与により、APC変異マウスの体重減少が著明に抑制されることを見出していた。7,8,3’,4’-TMFの経口投与においてもAPC変異マウスの体重減少の抑制効果を認めた。果皮に多く含まれることで知られるノビレチン(メトキシ基が6つ、β-カテニン経路を抑制しない)を用いて経口投与を行ったところ、5,7,3’,4’-TMFや7,8,3’,4’-TMFと同様にAPC変異マウスの体重減少が抑制された。従って、フラボノイドによるAPC変異マウスの体重減少抑制には、β-カテニン以外の経路が関与していることが分かった。野生型とAPC変異マウスでは食餌摂取量に変化はなく、メトキシフラボンの投与によっても食餌摂取量に変化がないことが明らかとなった。APC変異マウスの小腸では異型腺管を認め、この部位では、通常β-カテニンシグナルの直接の標的とされるc-Mycの発現とβ-カテニンの核蓄積は一致せず、同一細胞内でcyclin D1がβ-カテニンシグナルにより誘導されていた。またβ-カテニンが蓄積している細胞の近傍において、がん化のマーカーであるERK1/2の活性化を認めた。APC変異マウスの肝臓では、中心静脈を取り囲む肝細胞に含まれるグリコーゲンの量が低下しており、何らかの糖代謝異常が生じていた。肝臓での糖代謝に関与するグルコース-6-ホスファターゼ(G6PC)の発現量を解析したところ、APC変異マウスで著明に低下していたが、両TMFの投与群においてAPC変異マウスのG6PCの発現量に影響を与えなかった。肝臓での解糖系の律速酵素であるホスホフルクトキナーゼ(PFKL)の発現量を解析したところ、APC変異マウスで増加していた。両TMFの投与でAPC変異マウスで認めたPFKLの増加が抑制された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
APC遺伝子変異を持つ雄マウス確保に時間を要しているが、TMFの経口投与によりAPC変異マウスの消化管、肝臓、脾臓での効果を形態学的に明らかにすることができている。また、PCRなどから遺伝子発現におよぼすAPC変異マウスへのTMF投与効果を確認できており、進捗状況はおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
TMFの経口投与によりAPC変異マウスの小腸ポリープでのERK1/2の活性化を抑制する傾向を認めたが、どのようなメカニズムで抑制するかを検討してしている。血液検査の解析から種々の因子がTMF投与により変動しており、これらのメカニズムを解析中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)