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線虫腸内オルガネラをモデルとした新たな栄養貯蔵様式と飢餓応答機構の解析

Research Project

Project/Area Number 21K05509
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 38060:Applied molecular and cellular biology-related
Research InstitutionIwate Medical University

Principal Investigator

錦織 健児  岩手医科大学, 薬学部, 助教 (20563844)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Keywordsペプチド / C. elegans / プロテオミクス / オルガネラ / 栄養貯蔵 / 線虫
Outline of Research at the Start

栄養貯蔵は、生命活動を支える適応機構としてのみならず、老化や寿命まで左右する重要な現象であるが、ペプチド貯蔵という様式は知られていなかった。線虫(C. elegans)の腸に見られる顆粒状オルガネラである腸内顆粒は、均一な見た目でありながら別々の機能を担う複数種類のオルガネラで構成されている。最近、本研究代表者は、線虫の腸細胞をモデルとして、腸内顆粒の一種(HEBE顆粒と命名)がペプチド貯蔵という未知の機構を通して生命の根源的な役割を果たす可能性を見出した。本研究は、オルガネラにおけるペプチド性の栄養貯蔵と飢餓応答を支える分子基盤を明らかにする。

Outline of Annual Research Achievements

線虫の腸は、栄養の吸収だけでなく栄養分子の貯蔵や分配をも担う多機能な臓器である。その腸細胞内に見られるHEBE顆粒は幼虫後期から成虫の若い時期に豊富に形成される直径2マイクロメートル程度の顆粒状のオルガネラである。HEBE顆粒は加齢によって消失するほか、飢餓により失われるため若い時期に必要な栄養関連の機能を持っていると考えられる。本研究では、オルガネラにおけるペプチド性の栄養貯蔵と飢餓応答に関わる分子基盤を解明するため解析を行なっている。
本オルガネラに内包されるペプチド性の貯蔵実体は前年度までに解析を終えており、そのペプチドのアミノ酸組成を解析したところ、栄養貯蔵に適したアミノ酸組成を示すことがわかった。更に、これらのアミノ酸が遊離して細胞質ゾルに放出されるのであれば、mTORなどにおけるアミノ酸感知機構に介入すると予想され、本オルガネラの重要な側面を暗示している。また、内在ペプチドの末端には選択性があり、関連するプロテアーゼや輸送体の基質特異性を反映している可能性が考えられた。本オルガネラの構成タンパク質も引き続き解析中であり、小規模解析で得られた候補から、先行してGFP融合タンパク質を発現する遺伝子導入個体を作成した因子はHEBE顆粒への局在が確認された。
本オルガネラの飢餓応答に関わる因子を解析するための発現解析も進行中であり、比較対象となる絶食してもHEBE顆粒が消失応答しない変異体を選定し、比較条件を検討している。その過程で生殖腺の関与が浮き彫りになってきており、腸細胞内の貯蔵性オルガネラと生殖腺という組織を隔てた連携機構についても実験を重ねている。発現解析の結果も交えての解釈が待たれる。
以上のように本オルガネラの定常状態における分子実体は解明されつつあり、飢餓応答などの動的な変動について解析を進めているところである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初予定していた顆粒貯蔵因子の同定については予定していた解析を終え、局在タンパク質の解析でも複数のタンパク質を同定し、遺伝子導入個体を作成し局在の確認を進めている。現在はプロテオーム解析のスケールアップの検討中であるが、より効率的にオルガネラを単離するため、HEBE顆粒マーカーを発現する遺伝子導入個体と、体組織の大半を占める生殖腺を欠失する温度感受性変異体を掛け合せ、更に線虫個体の破砕を容易にするため細胞外マトリックスの変異により体が太くなるDpy変異体を交配し、目的の掛け合わせ体を得た。今後はこの株を用いてスケールアップする。
本オルガネラの飢餓応答に関わる因子を解析するための発現解析も進行中であり、比較対象となる絶食してもHEBE顆粒が消失応答しない変異体を選定し、比較条件を検討している。この比較対象においてどのようにHEBE顆粒の飢餓応答が抑制されているのかの解析に着手したため、思いがけず新たな知見は得られたものの、発現解析に若干の遅れが生じている。今後は検討した条件で比較解析を行う。

Strategy for Future Research Activity

今後は、得られた掛け合わせ株を使用して効率的に目的オルガネラを単離し、局在タンパク質の同定を更に進めていく。また、野生型と本オルガネラの飢餓応答が抑制される変異体を用いた遺伝子発現解析を行い、絶食によるオルガネラの消失に先立つ遺伝子発現の変化を解析する。これらの解析で得られた因子は局在解析や変異体解析により、本オルガネラに関わる機能を明らかにしていく。

Report

(3 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • 2021 Research-status Report
  • Research Products

    (4 results)

All 2023 2022 Other

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 線虫C. elegansにおけるペプチド輸送性ABCトランスポーターTAPLホモログの生物学的機能2023

    • Author(s)
      錦織健児、丹治貴博、白石博久、大橋綾子
    • Journal Title

      月刊 細胞

      Volume: 55

    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 線虫腸内オルガネラの解析から見えてきた新規の栄養貯蔵様式2023

    • Author(s)
      錦織健児、丹治貴博、白石博久、大橋綾子
    • Organizer
      日本動物学会第94回大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 線虫腸内顆粒研究から迫るオリゴペプチドの細胞内動態制御2022

    • Author(s)
      錦織 健児
    • Organizer
      日本薬学会東北支部 第20回生物化学若手研究者セミナー
    • Related Report
      2022 Research-status Report
    • Invited
  • [Remarks]

    • URL

      https://www.imu-pharm.jp/division/immunobiology/

    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2021-04-28   Modified: 2024-12-25  

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