イネを用いた長期栄養繁殖が成長やゲノムに及ぼす影響の解析と作物生産性向上への展開
Project/Area Number |
21K05521
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39010:Science in plant genetics and breeding-related
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
高橋 実鈴 (野坂実鈴) 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 助教 (20738091)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 栄養繁殖 / 多年生 / イネ / 低温ストレス / ゲノム / 茎頂分裂組織 |
Outline of Research at the Start |
植物は長期にわたって成長を続けることができ、地上部の成長は茎頂分裂組織の持続的な器官分化により支えられている。長期間、器官分化を続けた茎頂分裂組織において、茎頂分裂組織の機能はどのように維持されているのか又は変化しているのであろうか。本研究は栄養繁殖により長年維持している植物個体と種子から発芽した1年目の通常個体の茎頂分裂組織の機能を比較することで、茎頂分裂組織の永続性や老化の仕組みを理解することを目指す。本研究ではイネを多年生のモデル植物として利用し、栄養繁殖個体と種子由来の通常個体の成長やゲノムを比較することで、栄養繁殖の長期化が茎頂分裂組織の機能やゲノムに及ぼす影響を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
植物は乾燥や低温による物理的ストレスや病原菌やウイルスによる生物的なストレスを受けながら成長を続けている。このようなストレス環境下で茎頂分裂組織は、葉・茎・腋芽等の地上部器官の分化を繰り返して植物の持続的な成長を支えている。茎頂分裂組織の機能は時間の経過とともに変化することはないのであろうか。本研究はイネを多年生植物のモデルとして利用し、種子由来の通常個体と栄養繁殖を繰り返した個体を比較することで、長期間、器官分化を続けた茎頂分裂組織において、茎頂分裂組織の機能が維持されているのか、あるいは時間の経過とともにその機能は変化しているのか明らかにすることを目指した。 2021年度までの研究において、育苗期に低温ストレスを受けた栄養繁殖個体では、最終的に草丈が低くなる個体が多く見られたことから、2022年度は低温ストレスが個体の成長や茎頂分裂組織にどのような影響を与えるのか調べた。その結果、低温ストレスの処理中だけでなく処理後も植物個体の成長が抑制されることがわかった。一方、低温ストレスにより成長が抑制された個体と低温ストレスを処理していない通常個体において、茎頂分裂組織の形態を比較すると、明らかな違いは見られなかった。そのため低温処理により成長が抑制された植物個体において、茎頂分裂組織の形態ではなく、機能や遺伝子発現が変化していることが考えられた。 短期的な低温処理が器官分化を繰り返している茎頂分裂組織の遺伝子発現に影響を及ぼすのか明らかにするため、育苗期に低温を処理した栄養繁殖個体と低温を処理しない通常の種子由来の個体において、茎頂分裂組織における遺伝子発現を比較した。その結果、栄養繁殖個体ではストレス応答遺伝子の発現が上昇していることが明らかになり、低温処理から数ヶ月後も遺伝子発現に影響を与えていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
長期栄養繁殖がイネの成長に及ぼす影響の解析は、ほぼ計画通りに実施できている一方で、長期栄養繁殖がイネのゲノムに及ぼす影響の解析が遅れているため。 長期栄養繁殖がイネの成長に及ぼす影響の解析については、2022年度は栄養繁殖個体の成長が抑制された原因の探索を行った。栄養繁殖個体では生育初期に低温を処理すると最終的に成長が抑制された個体が多く見られたため、生育初期の低温処理がその後の植物の生育や茎頂分裂組織の形態や遺伝子発現に影響を及ぼすのか解析を行った。 長期栄養繁殖がイネのゲノムに及ぼす影響の解析については、2022年度は長期栄養繁殖個体と、その個体に実った種子を発芽させた通常個体のDNAメチル化程度を比較する計画であったが、解析が完了していないため2023年度での完了を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、長期栄養繁殖がイネの成長に及ぼす影響の解析については当初の計画どおり進める。栄養繁殖個体と通常個体のマイクロバイオームの違いが栄養繁殖個体の成長抑制の一因である可能性を考え、両者のマイクロバイオームの比較解析を行う。長期栄養繁殖がイネゲノムに及ぼす影響の解析については、計画の遅れを取り戻すため、長期栄養繁殖がイネゲノムのエピジェネティック修飾に及ぼす影響の解析に絞って研究を進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)