Analysis of the mechanism of internal browning of Japanese radish
Project/Area Number |
21K05567
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
福岡 信之 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (30502637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 達朗 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (50310496)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 内部褐変 / 高温ストレス / 酸化ストレス / 膜脂質の分解 / 最終糖化産物 |
Outline of Research at the Start |
ダイコンの内部褐変症の発生が生体メイラード反応の亢進や酸化ストレス反応の増大に起因するかを明らかにするため、生育後半に異なる温度条件でダイコンを栽培するなどして障害発生の異なる根部を作出する。この根部を材料として、メイラード反応や酸化ストレス反応に関係する代謝産物の組織内における集積様相の差を、免疫組織化学的に比較する。加えて、メイラード反応や酸化ストレス反応と関係する遺伝子の発現様相の比較も行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
ダイコンは冷涼性の作物で、夏期の高温期に栽培するとしばしば根身内部が淡褐色から黒褐色を呈する生理障害「内部褐変症」が発生し、その品質が大幅に低下する。前年度は、高温ストレス強度の異なる材料を用いて主として免疫組織化学的観察と糖代謝関連遺伝子の発現解析の観点から検討した。その結果、高温ストレスによって内部褐変症の発生が助長された根部では、Methylglyoxal、3-Deoxyglucosone imidazoloneなどの多種のAEGsが集積し、メイラード反応が亢進していることがわかった。また、これと連動してHexanoyl-lysine、Acrolein、Dityrosineの根部組織への集積度も高まり、酸化ストレス反応も亢進していることも明らかとなった。しかし、還元糖濃度やそれに関連する遺伝子の挙動とメイラード反応の亢進との間には一定の関係は認められなかった。メイラード反応の中間代謝産物である反応性の高いカルボニル化合物は、不飽和脂肪酸の過酸化の過程からも派生するので、本年度は実験で得られた材料を用いて、脂肪酸の組成や不飽和脂肪酸からカルボニル化合物に至る反応系に関与する酵素(リパーゼ、LOXなど)の遺伝子の発現解析を行った。また、酸化ストレスの原因となる活性酸素種の発生の場について、特にNADPH依存性ROSバーストとミトコンドリア電子伝達系に着目して関連遺伝子の発現解析も行った。その結果、高温ストレスによって内部褐変症の発生が助長された根部ではNADPH依存性ROSバースト関連遺伝子やLOX遺伝子が上方制御されることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり、高温ストレス強度の異なる材料を用いた実験では、内部褐変症の発生が高温下でのNADPH依存性ROSバーストやLOXなどに係る酵素の活性化による膜脂質の分解の促進に起因する可能性が示唆できた。また、高温下で障害が誘導される際には、ROS やLOXの影響を受けやすい不飽和脂肪酸(18:3)の組成比が高まることも新たに明らかとなった。これらの結果は、現在、論文に取り纏め国際誌(J. Plant Growth Regulation)に投稿中である。 また、バイオマスの差がダイコン内部褐変症におよぼす影響をみるため、生育の様々な段階で密植から疎植とする区を設け、生育後半にバイオマスが異なるダイコンを作出して障害の発生状況を調査した。今後は、この実験で得られた材料の分析も進め、本研究の目的である「ダイコンの内部褐変症の発生機構の解明」を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
生育の様々な段階で密植から疎植とする区を設けて得られたバイオマスが異なるダイコンを供試し、高温ストレス強度の実験と同様の分析(メイラード反応や酸化ストレス反応の抗原抗体反応、糖、ROSバースト、不飽和脂肪酸関連遺伝子等の発現解析など)を実施する。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)