果実表面の微気象学的解析に基づくトマト果実への低温耐性の付与
Project/Area Number |
21K05568
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
馬場 正 東京農業大学, 農学部, 教授 (80277243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 実花 東京農業大学, 農学部, 助教 (50825403)
小泉 明嗣 神奈川県農業技術センター, 生産技術部, 主任研究員 (90522897)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | トマト / 貯蔵 / 低温障害 / 高温処理 / 栽培環境 / 温度 / 光 / 出荷調整 / 低温耐性 |
Outline of Research at the Start |
低温環境は、収穫後青果物の品質保持に重要である。ただし、トマトなどでは低温がストレスとなり褐変、軟化などの低温障害が発生する。低温障害を回避する技術に高温(HS)処理がある。トマトでは、HS処理(38℃3日の温風処理)してから低温貯蔵(3℃3週間)すると、低温障害が発生しない。この事実は古くから知られていたが、実際にいろいろな収穫月のトマト果実に対してHS処理を行うと、その効果は安定しない。 そこで本研究では、収穫月の異なるトマト果実の栽培中の温度と放射照度履歴の解析を通じて、HS処理に対する反応性が異なる要因を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
収穫したトマト果実を1か月程度貯蔵するためには低温貯蔵が必須となる。ただしトマト果実を一定期間以上低温下に置いてから常温に戻すと、低温障害の発生が著しい。そのため果実に低温耐性を付与して、低温障害の発生を軽減する技術が必要である。そこで第1シーズンに引き続き低温貯蔵前に高温(HS)処理を行い、低温障害軽減効果の年次変動を調査した。また本年度新たな試みとして栽培中に遠赤色光照射を行い、低温耐性が付与できるかを検討した。 催色期に収穫した果実に対して低温貯蔵前にHS処理を行い、HS処理を行わない果実を対照区として、低温障害の発生を比較した。その結果、第1シーズンは年内収穫果に限ってHS処理に低温障害軽減効果が認められたが、第2シーズンはその結果と異なり、HS処理に安定的な低温障害軽減効果は認められなかった。本シーズンは全体的には低温寡照傾向を示した年であり、栽培中の温度、光環境によって高温に対する耐性が変動したことが原因と考えられた。HS処理は貯蔵温度によらず着色遅延効果があるので、常温貯蔵における貯蔵性延長技術として利用する方が安定した効果が得られると考えた。 トマト低温障害を発生部位と程度に分けて観察したところ、大きく4種類の症状に整理され、その中には温度が上昇してくる6月に再び助長してくる症状があった。さらに収穫後の低温耐性と栽培条件との関係をみたところ、収穫日に近い短期間の高温と開花後から収穫日までの長期間の光条件が低温耐性付与に寄与していることが示された。この結果を受けて、冬期の低温寡照条件下における遠赤色光照射が低温耐性付与に及ぼす影響について検討した。その結果、低温障害指数の低下、健全果率の上昇が認められた収穫月があった。あらたな低温耐性付与技術として期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分担者がそれぞれの役割を果たして、おおむね順調にデータが取れている。遠赤色光照射の試験区も順調に設定できており、昨年不具合のあった波長ごとの放射照度のデータの取得も、業者との密な連携により改善が図られ、順調に記録ができた。現在、波長別の放射強度と低温耐性付与との関係について検証中である。
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Strategy for Future Research Activity |
波長ごとの放射強度について、本年度初めてデータがとれた。現在その膨大なデータの解析を進めている。最終的に遠赤色光LEDを補光することでトマト果実へ低温耐性を付与することをねらっており、その実証試験を先行させた。今後波長ごとの放射強度のデータの解析を進めて、補光による低温耐性付与のメカニズムを検証していく。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)