Project/Area Number |
21K05654
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39070:Landscape science-related
|
Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
小沢 晴司 宮城大学, 事業構想学群, 教授 (70600526)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 知生 奈良県立大学, 地域創造学部, 教授 (40781555)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 風景 / 観光協会 / 保勝会 / 自然公園 / 宗教 / 山岳修験 / 風景地 / 観光開発 / 霊場 / 自然風景地 / 山岳宗教 / 国立公園 / 国定公園 / 名勝 / 地域 |
Outline of Research at the Start |
今日、自然の風景地を観光資源ととらえ、自然環境の保護のみならず様々な利活用を進める動きがある。近年のインバウンド対応に伴い、国や地方、関係団体が多様な取り組みを試行している。2020年来コロナ禍での観光活動の急激な抑制等の事態に見舞われているが、国内経済の再生や地域振興を促すための観光分野での取組みは極めて重要である。この時、地域に所在する風景地を再評価することは有意義であり、本研究において、近代日本における風景地が現在までの法指定に至る過程で、地域で取り組まれた活動やその変容について調査し、成果としての各風景地成立との関連性について明らかにしようとするものである。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,風景地の保全と利用に関わる「地元」の活動主体である,保勝会,宗教関係者,観光関連事業者,自治体の活動内容を明らかにし,近代以前からの自然資源の保全・活用の取り組みがどのように継承され,または変容してきたかを明らかにすることとしている。 2023年度には,昭和初期までに設立が多かった保勝会とその後に設立された観光協会について,組織体制と財政的基盤に関する資料を収集し,保勝会から観光協会への転換事例について検討した。また,昭和初期の帝釈峡,川上峡における保勝会の県立公園設置を目的とした活動事例を確認し,戦後直後の県立公園指定の動きや,蔵王国定公園の指定による自然資源の保全,スキー場や山岳横断道路建設による観光開発と脆弱な自然への影響,それらをめぐる地元研究者や市民団体,行政の対応等,及び信仰の山である栗駒・神室山系の国定公園指定による,南東北有数のブナ原生林の保全と国有林野事業に伴う伐採,さらには栗駒と同様地域の山岳信仰の対象となる船形連峰の県立自然公園指定によるブナ原生林の保全と,観光開発を目指す地元自治体による山岳横断道路建設への期待,そのせめぎ合いを含めた事例調査を進めた。 上述のケースのいずれも,山岳地域は基本的には地域における信仰の対象であり,その山域に広がる森林は信仰の対象として守られてきたのだが,その後,観光推進とモータリゼーション化による山岳地域への道路やスキー場開発により,地域の自然資源が失われてきた経緯を確認することができた。また,それら山岳地域は「奥山」である場合が通常であり,それらは林野庁の国有林野となっている場合が大半である。近代の,林野庁による拡大造林の影響も,豊かな自然資源の変容を受容せざるを得なかった風景地が辿った道筋といえる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査を進めるにあたり,さらに追加資料や現地調査,ヒアリングを行う必要が生じ,当初計画最終年次の2023年度中に研究をまとめられなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
昭和初期の保勝会と観光協会が国立公園や県立公園の設置を目的として活動していた点について,さらに事例収集し,整理するとともに,各地の自然資源の保全と利用の取組が公園の設置を目的に進められ,戦後につながっていった動きを明らかにする。また,それらの動きと日本八景や他の投票イベントとの関係を整理する予定である。
|