Project/Area Number |
21K05678
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40010:Forest science-related
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
長倉 淳子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70353787)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | カリウム施肥 / セシウム吸収抑制 / 成長低下 / セシウム吸収 / 養分バランス / カリウム / ヒノキ / トドマツ / ウダイカンバ / 養分アンバランス / 放射性セシウム |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、放射性セシウム汚染の少ない安全な林産物を得るために行われる林地へのカリウム施肥が樹木の成長にリスクをおよぼすかどうかを、土壌と樹体の養分バランスとその相互作用から検証しようというものである。 カリウム施肥がセシウム吸収抑制効果を持つかという点に留まらず、本来養分が内部循環している森林に対して人為的にカリウムを施肥することにリスクはないのか、という独自の視点に立つ。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、林地へのカリウム施肥が林業樹種に対してセシウム吸収抑制効果を持つかどうかを検証すると共に、樹木の成長に対するリスクがあるかどうかを土壌や樹体の養分バランスとその相互作用から検証することである。 令和5年度は、長期のカリウム施肥によって樹木に成長低下が生じていないかを確認することを目的とし、ヒノキ、トドマツ、ウダイカンバの各樹種について個体の直径と樹高を測定し、施肥区と無施肥区で比較した。ヒノキについては、植栽初期には個体が小さかったため、直径は2014~2020年には根元で測定し、2021年からは胸高で測定した。ヒノキは試験3年目には、一部の施肥区でやや樹高・直径共に小さく、試験8年目には樹高・直径共に施肥7回区(7回で施肥中止)<無施肥区<施肥3回区(3回で施肥中止)であった。施肥7回区の個体が、無施肥区および施肥3回区の個体よりも小さいことから、ヒノキはカリウム施肥回数が多いと成長が抑制される可能性がある。引き続き毎木調査により成長の経過を追うことが必要である。一方で、44年にわたり施肥が継続されているトドマツとウダイカンバでは、施肥による直径・樹高の低下はみられていない。林地へのカリウム施肥はセシウム吸収の抑制に有効である一方、樹種によっては成長低下の可能性があることが明らかとなった。このことは、放射能汚染地域の森林利用促進のため、林地へのカリウム施肥を検討している自治体や森林組合に情報提供する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の最終年度であった令和5年度は、課題担当者の本務が研究支援部門となったことにより、研究に費やせる時間の確保が困難であり、予定していたサンプリング、実験、学会発表、論文作成ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究支援部門に異動したことにより、研究が遅延している。研究期間を1年延長し、次年度も状況は大きく変わらないが、葉と土壌についてはすでに採取した試料での解析を行いカリウム施肥による土壌と樹体の養分バランスの変化を確認する。分析の外注利用も検討する。。
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