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沿岸プランクトン生態系に及ぼすスギ花粉の影響評価

Research Project

Project/Area Number 21K05729
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 40030:Aquatic bioproduction science-related
Research InstitutionIshinomaki Senshu University

Principal Investigator

太田 尚志  石巻専修大学, 理工学部, 教授 (20364416)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Keywordsスギ花粉 / プランクトン生態系 / 動物プランクトン / 生残率 / 孵化率 / 海洋食物連鎖 / 粒状有機物 / 陸起源粒状有機物 / 沿岸海洋
Outline of Research at the Start

春季の沿岸域に大量に降り注ぐスギ花粉は、植物プランクトンと同程度のサイズであり、動物プランクトンが直接摂食できるサイズだが、スギ花粉の有機物エネルギーが動物プランクトンを介してどれだけ海洋食物連鎖に取り込まれ、沿岸生態系にどのような影響を与えるかはわかっていない。
本研究では、水中スギ花粉現存量、動物プランクトンのスギ花粉摂食量、さらには、スギ花粉を摂食した動物プランクトンへの影響(同化率、成長率、死亡率、抱卵・産卵率など)を明らかにすることで、大気から供給された陸域生物起源の有機物粒子(スギ花粉)が沿岸プランクトン生態系にどのような影響を与えているかを定量的に評価することを目指す。

Outline of Annual Research Achievements

課題1の沿岸域における水中スギ花粉の動態把握について、試料分析は一部をまだ残しているが、これまでに、海洋表層(0.5m)でのスギ花粉密度が大気中(海面直上1m)の1,000-10,000倍であること、海水中のスギ花粉炭素量は最大で植物プランクトン炭素量の20%に達すること、海水中では表層から深層に向けて花粉密度が減少する傾向があることなどを明らかにしたことで、水中スギ花粉の動態の理解に向けての基盤情報整理が進展した(成果の一部はR5年12月に関連学会で発表済み)。
課題2の動物プランクトンによるスギ花粉摂食速度と同化効率の測定に関しては、これまでに、スギ花粉を摂食可能な動物プランクトン種、および摂食頻度と動物プランクトンサイズの関係、スギ花粉の同化効率を明らかにした。しかし、動物プランクトンのスギ花粉摂食速度の測定実験については、実験装置の故障に加え、研究代表者のコロナ罹患、大学業務増加等で十分な実験時間を確保することができず、動物プランクトンによる除去過程および食物連鎖に流れるスギ花粉有機物量を総合的に評価するには至っていない。そのため、R6年度前半に補完実験を行うこととした。
課題3の動物プランクトンに対するスギ花粉の影響評価については、スギ花粉を摂食させた動物プランクトンの生殖、産卵・孵化率、ノープリウスの生残率を明らかにした。その結果、スギ花粉と植物プランクトンが混在する状況においては、スギ花粉は、動物プランクトンの成長、生残、繁殖を阻害することなく補助栄養源として利用されている可能性があると判断された(成果の一部はR5年9月に関連学会で発表済み)。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

課題1 当初計画より中断・延期していた水中スギ花粉の分布を把握する追加調査およびセディメントトラップ(沈降粒子捕集装置)によるスギ花粉の沈降量測定をR6年3-4月に実施できたことで、目標としていたスギ花粉の分布傾向を把握するための現場サンプリングはほぼ完了した。また、スギ花粉の沈降フラックスおよび水中での減耗量を定量評価するためのセディメントトラップをR6年3〜4月の期間に現場海域に設置した。得られた試料は現在分析中であるが、予定の80%は分析を終えている。
課題2については、これまでの実験でにスギ花粉を摂食可能な動物プランクトン群、および摂食頻度と動物プランクトンサイズの関係を把握したが、摂食速度評価については十分な実験が実施できなかったため、追加実験が必要と考えている。
課題3については、R5年度前半に予定していた部分をR3、4年度に前倒しで実施できたことで、ほぼ予定通りに実験を終了した。一部はすでに関連学会で発表しており、現在、論文執筆に取り組んでいる。

Strategy for Future Research Activity

当初計画では、現場調査・室内実験をR5年度前半で完了させる予定であったが、悪天候や傭船都合、実験装置の故障、研究代表者のコロナウィルス罹患、大学運営業務過多等により一部の調査や実験を予定通りに実施できなかった。この欠を補うため、補助事業期間延長申請し、R6年度に調査・実験を追加することとした。R6年3-4月の各層採水調査で得た試料およびセディメントトラップ採取した沈降粒子試料の分析をR6年前半に完了させ、これまでの知見を補完する。また、R6年度前半に摂食実験を行い、動物プランクトンの摂食によるスギ花粉の除去量を評価する。これにより、大気から沿岸海洋へのスギ花粉供給量、海水中におけるスギ花粉の鉛直・水平分布、水中でのスギ花粉沈降フラックス、生物除去過程のデータを統合して、水中におけるスギ花粉の動態の総合評価を行う。また、それらの成果を整理して学会発表、論文投稿を行う。

Report

(3 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • 2021 Research-status Report
  • Research Products

    (2 results)

All 2023

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 沿岸プランクトン生態系に及ぼすスギ花粉の影響2―動物プランクトンの成長、生残、繁殖にどのような影響を及ぼすか―2023

    • Author(s)
      太田尚志
    • Organizer
      日本プランクトン学会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] スギ花粉は海へのめぐみ?ープランクトン生態系への影響評価ー2023

    • Author(s)
      太田尚志
    • Organizer
      日本花粉学会
    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2021-04-28   Modified: 2024-12-25  

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