Project/Area Number |
21K05783
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40040:Aquatic life science-related
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
森岡 克司 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 教授 (90230094)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | コラーゲン / ブリ / 筋肉 / 物性 / P4H / 遺伝子発現 / 歯ごたえ / 遺伝子 |
Outline of Research at the Start |
ブリは寿司や刺身などの生鮮品として利用される。よって、肉の歯ごたえ(=物性)がその品質を決定する重要な指標である。これまでに肉の物性に最も影響するタンパク質であるコラーゲンの合成調節因子および分解酵素の存在が明らかとなった。しかし、ブリ筋肉内におけるこれらの因子の挙動は十分に解明されていない。そこで本課題ではまず、コラーゲン分子の代謝(合成・分解)に関連する遺伝子の発現について精査する。さらにその発現様態に基づき、少量の肉片試料やさらには血液で肉質を評価・予測可能な新規技術を開発することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ブリ筋肉コラーゲン量と同分子代謝関連遺伝子発現量の関連性を周年調べ、両者の関連性を解明し、最終的にコラーゲン分子代謝関連遺伝子(CMG)のうちいずれの遺伝子の発現量が肉の物性の予測に適しているかを明らかにする。結果は以下の通りである。 【コラーゲン分子代謝関連遺伝子の発現量とコラーゲン含量の関係】 コラーゲン分子代謝関連遺伝子の発現では、コラーゲン分解に関わる酵素であるMMP2、分解の阻害因子であるTIMP2a及びTIMP2b遺伝子発現量は、7月から9月にかけて有意に増加した後、減少した。またMMP2、TIMP2a及びTIMP2bは同じ遺伝子発現パターンを示したことから、これらの因子がコラーゲン代謝において同調的に調整されているものと推察した。一方、コラーゲンの合成の律速酵素であるP4H(P4HαI)の遺伝子発現量は、7月で最大値を示した後、9月にかけて減少した。次に筋肉コラーゲン含量とCMG遺伝子発現量の関係を調べたところ、コラーゲン含量とP4HαI遺伝子発現量の間に負の相関が見られた。これは、当研究室におけるマダイ筋肉コラーゲン含量とP4HαI遺伝子発現との相関と同様の傾向であった。 以上の結果より、筋肉コラーゲン含量と関連が見られたのは、コラーゲン合成に関わる酵素の遺伝子であるP4HαIであり、P4HαI遺伝子発現量を指標としてブリ肉の物性を評価できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの検討で、ブリ筋肉のコラーゲン代謝に関して、筋肉の化学分析により、成長に伴い、ブリ筋肉のコラーゲン含量は増加傾向を示すこと、また、コラーゲン関連遺伝子分析により、ブリ筋肉コラーゲン量と同分子代謝関連遺伝子発現量の関連性に関してコラーゲン合成酵素であるP4Hの発現量が筋肉のコラーゲン含量と負の相関関係にあることが明らかとなった。これは、筋肉のコラーゲンの合成酵素の発現量は、筋肉のコラーゲン含量と正の相関を示すとの仮説とは逆の傾向となった。この点に関しては今後さらに詳細な検討が必要と考える。 一方、筋肉のコラーゲン含量とコラーゲンの分解に関わるタンパク質の遺伝子発現とは相関が見られなかった。この点に関して、コラーゲンの分解動態を調査することが追加で必要であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
ブリ筋肉のコラーゲン代謝に関して、筋肉の化学分析により、成長に伴い、ブリ筋肉のコラーゲン含量は増加傾向を示すこと、また、コラーゲン関連遺伝子分析により、ブリ筋肉コラーゲン量と同分子代謝関連遺伝子発現量の関連性に関して、コラーゲン合成酵素であるP4Hの発現量が筋肉のコラーゲン含量と負の相関関係にあることが明らかとなった。 令和6年度は、上記筋肉コラーゲン含量の測定に用いたサンプルを対象に、筋肉中の遊離アミノ酸含量及びコラーゲンの分解物含量を分析し、成長に伴うブリ筋肉コラーゲンの代謝、特に分解挙動を調べ、筋肉コラーゲンの代謝挙動を明らかにする予定である。
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