Project/Area Number |
21K05808
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41020:Rural sociology and agricultural structure-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
萬木 孝雄 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (30220536)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 森林組合 / 林業財政 / 林業経営収支 / 協同組合理論 / 天然林施業 / 計量経済分析 / パネルデータ / 理論モデルサーベイ / 協同組合 / 経済分析 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、各種の統計データを整理・分析し、森林組合の収益性と事業効率性について、時系列および都道府県別の動向を明らかにするものである。期待される成果として、2点を挙げる。第1は、地域の実態を踏まえて森林組合の分析結果を示すことである。森林資源の状況や期待されるニーズは多様であるため、森林組合はどのような事業によって貢献しているのかを解明する予定である。第2は、日本の森林や山地を保全し、利用を進める上で、協同組合という組織形態を検証することである。現代はNPO法人や株主を限定した社会的企業など、形態は様々である。協同組合が持つ特徴を考慮しながら、森林組合の方向性についても検討する予定である。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究の実績は、以下3つの課題名で公表する予定である。 第1は森林組合の事業について、数量経済的に評価する分析であり、これは2024年3月の農業経済学会において、「林業の財政と政策から見た森林組合事業の構造と課題」という論題名で個別報告を行った。現在はしかるべき学術誌に投稿するために準備を行っている状況である。この研究では、森林組合は国内全体として、国-都道府県-市町村にまたがる林業の予算に依拠する部分が大きく、森林組合による事業の評価は、そのような公共事業を受託する度合いによって影響を受けることが客観的に示されたと考えられる。
第2は、この研究費より謝金支出を行って進めた岩井信幸氏との共同研究による成果であり、やはり2024年3月に、岩井信幸・万木孝雄「協同組合を中心とする非株式会社組織の経済理論に関する研究」『経済学論集』(東京大学・経済学研究科)84巻1号、pp.22-50、として公表することができた。この論稿では、森林組合や農業協同組合も含めて、協同組合組織の特徴や市場経済における意義について、理論的に整理できたのではと考えている。
第3は、森林組合が実際に受託する、あるいは自身の計画に基づいて行う事業は、人工林の施業が大半であり、環境や生態系に親和的と期待される天然林や広葉樹林の施業はほとんど行われていないことに、この研究を通して気付いた。そのため、東京大学の北海道演習林をモデルとして、天然林施業を実施した場合には、どのような収支が見込まれるのかを分析している状況である。その収支分析の結果は、森林組合が同様の施業を検討する場合には大きな参考となることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記の「実績」で説明した3つの研究課題のうち、第2の「協同組合の経済理論に関する研究」は、論稿が掲載となって、最初に予定していた研究期間内で無事に終了ができた。
第1の「森林組合事業の構造と課題」に関する数量分析は、データ収集はほぼ計画通りに進められてはいたが、2021年度と2022年度の両年はコロナの影響もあって森林組合や各関係機関への聞取りに少し手間取ったこともあり、分析の裏付けとなるような知見が十分には得られなかった。2023年度には、それらの収集と整理はほぼ終了できているため、投稿用の原稿を完成させる作業を、早急に進める予定である。
第3の課題である、「天然林施業による収支分析」については、2022年度と2023年度の2回に北海道演習林を訪問して、分析に必要となる資料の収集はすでに終えている。ただ、この課題を本格的に開始したのが研究期間の2年目ということもあって、まだ分析を続けている状況である。第1の課題とも並行させて、論稿の取り纏めに進めるよう、作業を続けていく所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の「実績」および「進捗状況」で示した第1の課題は、すでに(農業経済)学会での個別報告を終了しているため、しかるべき学術誌に投稿できるように、草稿の完成を2024年の前半くらいまでに終了する予定である。
第3の課題は、これから林業経済学会に入会を行って、2024年11月に九州大学で予定されれている同学会において個別報告を行い、その後に学術誌へ投稿できるように論稿を作成する計画である。最初の予定期間(3年間)よりも1年の延長が認められた今2024年度は、その3番目の課題に関しても、3月の年度内を目標として投稿を終了させたいと考えている。
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