Project/Area Number |
21K05824
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41020:Rural sociology and agricultural structure-related
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Research Institution | Norinchukin Research Institute Co., Ltd |
Principal Investigator |
若林 剛志 株式会社農林中金総合研究所, リサーチ&ソリューション第1部, 主任研究員 (00634388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 雷軒 株式会社農林中金総合研究所, リサーチ&ソリューション第1部, 主任研究員 (90899296)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 農地媒介組織 / 農村産権交易所 / 農地中間管理機構 / 農地流動化 |
Outline of Research at the Start |
日中両国とも担い手への農地の集積および集約化を伴う農地流動化が重要課題となっており、両国ともにそれを促進および媒介する組織がある。しかし、両国の媒介組織のあり方には差異がある。 本研究では、「経済学的視点から農地流動化を促進する農地媒介組織のあり方としてどのようなあり方が合理的なのか」を問い、これを現地調査に基づき、両国の農地媒介組織の比較研究を進めながら論点を抽出し、段階的に明らかにしていくものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、経済学的視点から農地流動化を促進する農地媒介組織のあり方としてどのようなあり方が合理的なのかという問いを立て、研究を進めている。当初の研究実施計画において、研究最終年度となる3年目の2023年度は、農地媒介組織に関する経済学的考察を仕上げとして行うこととしていた。 以上の目的(研究上の問い)および実施計画に照らし、2023年度の研究成果として挙げられるのは、3年目にして初めて学会発表を行ったことである。これは当初1年目、2年目に実施予定であった中国での現地調査ができず、3年目にずれ込んだことによる。しかしながら、当初、本研究で想定していた研究成果にはまだ不十分であると感じている。 その他、Covid-19の影響で現地調査ができない間に交渉していた中国研究者が行う農民への標本調査に、農村産権交易所の利用状況等に関する質問項目を(研究チームの調査目的を阻害しない範囲で)組入れていただく手配を進めた件は、次のようになった。2023年前半に標本調査が実施され、2023年8月にその研究代表者と中国で研究交流を行った際に、調査結果を伝えられた。その結果、調査地域の農民は、農村産権交易所を直接利用していることが少なく、結果を用いた分析が困難であることが判明した。従って、本件はうまくいかなかった。しかしながら、農村産権交易所の利用が少ないこと、農民個人でなく村の土地合作社等を通じて利用することがある等利用実態の一端を垣間見ることができた。この知見から、上記学会発表では、土地合作社との取引も考慮した考察結果を発表した。 また、現地調査では中国の複数の研究者と研究交流を行うことができた。彼らあるいは彼らの紹介から、農村産権交易所に関する政策動向や農村産権交易所をめぐる最近の動向(例えば「10.研究発表」欄の王(2024))を知ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「遅れている」とした最大の理由は、研究方法の中心に中国での農村産権交易所の現地調査を置いているにも関わらず、この研究を開始した2021年4月から2023年3月までは、Covid-19の影響により中国での現地調査が実施できなかったことにある。そのため、当初研究期間は2023年度までであったが、研究期間を1年延長し、引き続き研究に取組むつもりである。 進捗に関し、順調に進展した点は、3年目にして初めて中国での現地調査が実現したこと、その現地調査を踏まえた研究成果を学会で発表したことである。これに加え、中国で中国の複数の研究者との交流から、政策動向を含む農村産権交易所をめぐる最近の動向を知ることができたことも収穫であった。 一方、思うように進捗しないこともあった。例えば、2023年8月から9月にかけて、中国での現地調査を行うことができたものの、農村産権交易所の組織の中で、貸し手である農民に最も近い拠点での聞き取りに関する交渉が難航し、不十分に終わったことである。この点の解消は2024年度の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の研究推進方策は概ね以下の通り4点に分けられる。 第1に、引き続き論点抽出と比較研究を進めながら、経済学的考察を進めていく。論点抽出は2021年度、比較研究は2022年度、経済学的考察は2023年度の研究課題であるが、それぞれの年において不十分だったことを2024年度の課題とし、その課題を解決しながら研究を進めていくことを目指す。 第2に、中国での現地調査を実施する予定である。これは、本研究を行う上での基礎となるものである。現状においては、引き続き現地調査の難航が予想されるが、可能な範囲でこれを行う予定である。 第3に、必要に応じて農地中間管理機構への追加調査を行う。2022年に農地中間管理機構の協力の下、同機構から聞き取った内容の更新を必要に応じて行う。 第4に、第2の推進方策である中国での現地調査を補完する対応として、①中国の研究者との意見交換を継続し、②状況に応じて中国の研究者への現地調査の委託を検討する。②について、農村部の交易所の状況や交易所の中でも農地の出し手である農民に近い郷鎮や村における取引チャネルの動向把握が不十分であることから、必要に応じて検討する。但し、この委託自体も諸々の事情により難航することが予想される。 3年目にして初めて中国での現地調査が実現した現状から、研究計画の遅れを完全に取り戻すことは難しいが、2024年度においても中国の研究者の協力も得ながら中国での現地調査を実施することができれば、2023年度までの遅れを2024年度に一定程度取り戻すことができると考えている。それでも遅れを取り戻すことができない場合には、研究期間の再延長も検討する可能性がある。
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