Development of year-round grazing system of meat goat in tropical grass - overcoming parasitic infection -
Project/Area Number |
21K05877
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41050:Environmental agriculture-related
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
波平 知之 琉球大学, 農学部, 助教 (30792478)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 肉用ヤギ / 捻転胃虫 / EPG / 駆虫 / 暖地型イネ科牧草 / 放牧 / 糞中DNA / 定量PCR / 暖地型牧草 / 肉用山羊 / 周年放牧 / 内部寄生線虫 / DNA解析 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、家畜と草地の2つのアプローチにより研究を展開する。3年間のフィールド実態調査から亜熱帯地域で最も寄生虫感染が高まる時期とその要因を明らかにし、定量PCR法を用いた感染寄生虫種の簡易同定法を検討する。この定量PCR法を応用し、牧草地の寄生虫汚染レベルの評価法を併せて検討する。肉用ヤギの飼養試験では飼料添加剤の持続的な駆虫効果を明らかにし、周年栽培が可能な暖地型イネ科牧草地において放牧条件の違いによる放牧地の寄生虫汚染への影響を放牧試験によって検証する。最終的には、熱帯・亜熱帯地域において寄生虫感染を制御できる肉用ヤギ独自の周年放牧技術の開発に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
1) フィールド実態調査を放牧管理と舎飼管理のヤギの糞便検査を実施した結果、青草主体で管理しているヤギの糞便からは治療を要するレベル(EPG:500個/g)の捻転胃虫卵が検出された。その一方で、舎飼管理のうち、乾草主体で管理のしているヤギの糞便からは要治療レベルの捻転胃虫卵は検出されなかった。2)PCR法による簡易同定法の検討では、常法により糞便から分離した捻転胃虫卵のDNAを抽出し、PCR法により線虫種を同定した結果、高い頻度で捻転胃虫のみを同定することがきた。3)各種飼料添加剤の駆虫効果の検討では、経口用の飼料添加剤を用い、放牧ヤギを用いて5日間の投薬実験を実施した結果、昨年と同様にフルモキサール散よりも塩酸レバミゾールでの駆虫効果が高いことが明らかとなった。その効果として、糞便中の捻転移虫卵の減少は、フェンベンダゾール散では投薬後14日間は虫卵の減少が継続するのに対し、塩酸レバミゾールでは投薬後40日間は虫卵減少が継続することが明らかとなった。捻転胃虫感染症によって貧血状態(ヘマトクリット値:10-20%)にあったヤギは、駆虫によって採食量が高まったものの、放牧を主体とした飼養管理の場合には舎飼管理の個体ほどの血液状態の回復(ヘマトクリット値:25-30%)には至らなかった。4) 昨年から放牧地に造成中の暖地型イネ科牧草のバヒアグラスとクリーピングシグナルグラスのヤギにおける嗜好性を舎飼管理のヤギで実施した結果、バヒアグラスよりもクリーピンググラスでの嗜好性が高く、また、50日間隔の刈取り草よりも33日間隔の刈取り草での嗜好性が高かった。難消化性繊維含量のADF含量を分析した結果、50日間隔よりも33日間隔の牧草でADF含量が低かったことが要因だと推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) フィールド実態調査の2年目は、計画の通りに沖縄本島の飼養農家3件の調査を実施することができ、給与飼料の違いによる寄生虫感染症の罹患率を見出すことができた(達成率100%)。2) 定量 PCR法による簡易同定方法の検討の2年目では、健康被害の多い捻転胃虫卵からDNAを抽出し、PCRでの簡易同定が可能となった。現在、論文執筆中でPCR法による簡易同定法はほぼ確立できたものと考えられる(達成率100%)。牧草中に付着している捻転胃虫卵の検出については、PCR法を用いての簡易同定方法は確立できなかったことから、2023年度の課題検討事案である(達成率50%)。3) 異なる放牧条件下での放牧実証試験では、バヒアグラスとクリーピングシグナルグラスの放牧地を2021年度から造成中であるため、2023年度に本格的な放牧試験を実施する。2022年度は、バヒアグラスとクリーピンググラスの嗜好性を畜舎を用いた飼養試験を行い、牧草の生育ステージでの嗜好性の違いを見出せたが放牧試験にまでは至らなかった(達成率は50%)。4) 成果のまとめについては、2021年度から継続している試験結果の学会発表(口頭)はこれまでに3回行い(2022年度は1回)、2023年度に投稿予定の論文は3報である(達成率20%)。 これらの1)、2)、3)、4)までの2022年度の達成率をまとめると概ね64%である。残りの36%が2023年度の研究課題の実施とその成果の論文公表と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題の実施:1) PCRによる簡易同定方法の実証試験を実施する。すなわち、ヤギ糞便と放牧地の牧草に付着している水分のそれぞれからDNA抽出からPCRによって捻転胃虫の同定を試みる。2) 暖地型イネ科牧草のバヒアグラスとクリーピングシグナルグラスの放牧地において、休牧期間の異なるそれぞれの草種の嗜好性試験を行い、輪換放牧による実証試験を実施する。 研究成果のまとめ:2021年度から蓄積しているデータを解析し、3報の研究成果を論文投稿する。1) PCRを用いた簡易同定法(2021年度と2022年の実験結果)。2) 各種飼料添加剤を用いた駆虫効果(2021年度と2022年の実験結果)。3) 暖地型イネ科牧草バヒアグラスとクリーピングシグナルグラスの嗜好性評価(2022年から2023年度の実験結果)。4) フィールド実態調査(2021年度から2023年度の調査結果)
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)