ブロイラーに多発する異常硬化胸肉の発現機序の解明と発現を抑制させる飼養法の開発
Project/Area Number |
21K05908
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42010:Animal production science-related
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
長谷川 靖洋 酪農学園大学, 農食環境学群, 講師 (50807328)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | Wooden Breast / 異常硬化胸肉 / ブロイラー / wooden breast / 酸化ストレス |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的はブロイラーに多発している異常硬化胸肉の発現機序の解明と正常胸肉の産出を目指した飼養法の開発である. 養鶏業界では筋障害を伴う異常に硬化した胸肉が発生し,品質の低い肉として廃棄されている.この胸肉の発現には鶏の異常な成長速度が関係しており,胸肉の急速な発達に対して毛細血管の形成が追いつかず,筋肉内で虚血を引き起こし酸化ストレス状態にあると仮説立てている.そこで,本研究の目的は,毛細血管を含む血管系の構築異常を組織学的および画像診断学手法を用いて調査し,筋障害と血管走行との関連を明らかにしたのちに,この筋障害の発現を抑制させる飼養法を検討する.
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Outline of Annual Research Achievements |
近年,ブロイラー産業で多発している胸肉の異常硬化(Wooden Breast,WB)は成長スピードの速い個体で多く生じる.このことから,WBは胸肉の急成長による組織内血管網の構築異常によって虚血状態になり,ミトコンドリアの機能異常が生じて,活性酸素種の産生と除去のバランスが崩れて酸化ストレス状態になると仮説立てて研究を展開している. 2022年度はWB非発現鶏およびWB発現鶏をCTアンギログラフィーによる血管走行の可視化と筋損傷との関連性を明らかにした.本学実験鶏舎で飼養したブロイラー2羽を翼の挙上試験を行い,左右の翼が接触したものおよび左右の翼が接触しなかったものをそれぞれ,WB非発現鶏およびWB発現鶏とした.翼下静脈に血管ルートを確保し, 鎮静下で非イオン系造影剤を注入し,主血管網を可視化したところ,鎖骨下動脈から胸筋につながる胸筋動脈はいずれも4 mmとほぼ差がなく,前胸筋動脈にもほぼ差がなかった.しかしながら,外胸動脈はWB発現鶏は血管の深部まで可視化できなかった一方で,WB非発現鶏はWB発現鶏よりも深部まで可視化することができ,血管形成に差が生じていることが明らかとなった.さらに胸鎖動脈の血管径はWB非発現鶏およびWB発現鶏でそれぞれ,2.3 mmおよび1.4 mmと大幅な差が生じており,WB発現鶏では主血管の形成不良を強く示唆する結果を得た. CTアンギログラフィーを撮像した個体から胸筋を取り出し,胸筋の表層側および深層側からそれぞれ,3ヶ所の計6ヶ所採剤し,凍結切片を作成してHE染色を行った.WB特徴である筋線維の円形化はWB発現鶏において胸鎖動脈が形成不良であった表層側で有意に高く,血管形成不良と筋損傷との関連を強く示唆する結果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021-2022の研究目標は血管型の構築異常の証明であった.当初の計画通り,順調に解析が進んでおり,組織学的な手法を用いて血管系の形態観察,qPCRを用いた関連遺伝子発現との関わりおよびCTアンギログラフィーを用いた血管走行と筋損傷領域との関わりを証明することができている.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は飼育試験におけるWB発現抑制を検討する.申請者は飼育前期の低栄養状態がWBの発現に影響を与えており,この期間に給餌飼料の栄養価を高くすることでWB発現を低減できることを報告している.そこで,本年はWBの発現しつつ,胸肉重量も大きく高経済的な飼養をめざし,飼養期間の給餌飼料を常に高栄養価として飼養し,WB発現率や胸肉重量などを評価する.
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)