Project/Area Number |
21K05914
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
石川 透 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70249960)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ナトリウム重炭酸イオン共輸送体 / 膜電流 / パッチクランプ法 / 反芻動物耳下腺 / 起電性Na+-HCO3-共輸送体 / 重炭酸イオンセンサー / プロトンセンサー |
Outline of Research at the Start |
起電性ナトリウム重炭酸イオン共輸送体(NBCe1-B)は、生体内の様々な組織・細胞に発現し、体液の酸塩基バランスや上皮性重炭酸イオン輸送などに重要な役割を果たしています。本研究は、非常に高い重炭酸イオン分泌能を有するウシ耳下腺、特にその腺房細胞に発現するNBCe1-Bとその機能を直接的あるいは間接的に調節するタンパク分子群に注目し、「新たな細胞内酸・塩基センシング機構の解明」をめざし行うものです。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、非常に高い重炭酸イオン分泌能とナトリウム重炭酸イオン共輸送体活性を有するウシ耳下腺から新鮮分離した腺房細胞標本(ウシ耳下腺腺房細胞標本)に電気生理学的手法(ホールセルパッチクランプ法)を適用し、ナトリウム重炭酸イオン共輸送活性のモニタリングと機能調節という2つの側面を有する可能性があるイオン輸送タンパクについて機能的探索実験を行いました。高濃度のカルシウムキレート剤(EGTA)を含むピペット溶液でウシ耳下腺腺房細胞内を灌流することにより、細胞内遊離カルシウムレベルを低い状態に設定し、既知のイオン輸送タンパク活性(2種類)に起因する膜電流に対する細胞内酸塩基状態の影響について調べました。このような細胞内低カルシウム条件下において、1つのイオン輸送タンパク活性はテストした複数の細胞内酸塩基状態においてほとんど変化しないにもかかわらず、別のイオン輸送タンパク活性は影響を受けることを見出しました。これらの結果は、ナトリウム重炭酸イオン共輸送活性とリンクして変化するような細胞内酸塩基状態を感受し、且つ、機能変化しうるようなイオン輸送タンパクがウシ耳下腺腺房細胞に存在する可能性を示唆しています。現在、影響を受けたイオン輸送タンパクの異所性強制発現系を用いた実験を併行して行っており、その分子機構の解明を進めています。今後、電気生理学的手法や分子・細胞生物学的手法を総合的に用いて本研究課題をさらに進めていきたいと考えています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
これまでに、ウシ耳下腺腺房細胞に機能発現するナトリウム重炭酸イオン共輸送活性をモニタリングし、その機能を調節しうるような細胞内酸塩基センサー分子としての新規イオン輸送タンパクを同定すべく探索実験を行ってきています。当初の予想ではそのイオン輸送タンパクは分泌刺激時に活性化される性質を有すると推測していました。しかし、細胞内カルシウムレベルが非常に低い条件下においても、既知のイオン輸送タンパク活性に起因する膜電流が、ナトリウム重炭酸イオン共輸送体活性とリンクする(あるいはリンクして変化する可能性がある)細胞内酸塩基状態に感受性を有するという非常に興味深い可能性を見出しました。そのため、多くの時間をこれらの実験に費やしたことにより、細胞内酸塩基センサー分子としての新規イオン輸送タンパクの機能的探索と分子同定およびナトリウム重炭酸イオン共輸送体分子の細胞内機能調節タンパクの細胞内酸塩基センサーとしての分子特性に関する研究が遅れています。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の研究により見出した細胞内酸塩基センサーの可能性がある既知のイオン輸送タンパクについて異所性強制発現系を併用しながら研究を推進したいと考えています。また、ウシ耳下腺腺房細胞に存在すると想定される細胞内酸塩基センサー分子としての新規イオン輸送タンパクの分子同定を目的とした機能的探索実験を継続するとともに、ナトリウム重炭酸イオン共輸送体の細胞内機能調節タンパクの細胞内酸塩基センサーとしての分子特性についても、分子生物学的手法や強制発現系などの実験系を総合的に用いて進めたいと考えています。
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