Molecular and cell biological studies on the regulation of UCP1 gene expression aiming to prevent obesity in dogs
Project/Area Number |
21K05963
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
村上 賢 麻布大学, 獣医学部, 教授 (80271360)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | イヌ / UCP1 / 脂肪細胞 / 肥満 / 遺伝子発現制御 |
Outline of Research at the Start |
肥満はペット犬が健康を維持する上で最大の関心事である。肥満は様々な疾病の誘発因子であり、その制御は重要な獣医学的課題である。ヒトの肥満解消の切り札として、褐色・ベージュ脂肪細胞の活性化が注目され、脱共役タンパク質1(UCP1)がそのカギを握っている。我々は、イヌのUCP1発現パターンは、実験動物やヒトとは異なり、ユニークであることを見つけた。これは、イヌのUCP1を介したエネルギー代謝調節は独特である可能性を示唆する。本研究では、イヌ個体及び細胞培養系の解析から、UCP1発現制御と機能を明らかにし、イヌ肥満予防・解消法の提唱に向けた基礎知見を提供する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ペット犬の健康を維持する上で最大の関心事である肥満は、様々な疾病の誘発因子であり、その制御は重要な獣医学的課題である。ヒトの肥満解消の切り札として、褐色・ベージュ脂肪細胞の活性化が注目され、脱共役タンパク質1(UCP1)がそのカギを握っている。我々は、イヌのUCP1発現パターンは、他の動物とは異なり、ユニークであることを見つけた。これは、イヌのUCP1を介したエネルギー代謝調節は独特である可能性を示唆する。本研究では、イヌ個体及び細胞培養系の解析から、UCP1発現制御と機能を明らかにし、イヌ肥満予防・解消法の提唱に向けた基礎知見を提供する。本研究の学術的「問い」は、1.イヌUCP1遺伝子発現パターンにはどのような特徴があるのか? 2.脂肪組織におけるイヌUCP1遺伝子発現はどのように制御されているのか?であり、この回答を得るため、6課題を設定し、次の3つの「検討項目」に取組んでいる。1.イヌUCP1遺伝子の組織分布とバリアント比及びそれらの機能、2.脂肪組織におけるイヌUCP1発現に影響を及ぼす要因、3.イヌUCP1発現制御の分子機構 R4年度は主に検討項目2.に取組んだ。来院した129頭のイヌの皮下または内臓の脂肪組織を用いて、脂肪細胞分化と機能に関わる調節遺伝子、アディポカイン、褐色脂肪細胞形成やUCP、BMPシグナルに関わる遺伝子の4つのカテゴリーに分類した合計23遺伝子の発現量を調べ、ボディコンディションスコア(BCS)、年齢、腫瘍などイヌのプロファイルとこれら遺伝子の発現の関連を解析し、丁寧に考察した。BCSと調べた23の遺伝子の脂肪細胞における発現との明確な関連を示すことはできなかったが、多くの遺伝子間では正に相関をしていた。これらの成果はイヌの肥満やそれに関連する疾患の予防や治療に向けた候補遺伝子同定のための有用な基礎的情報となるため、国際学術雑誌に公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
十分な数のイヌ脂肪組織において設定した肥満関連候補遺伝子群の発現を定量分析し、肥満を含む健康状態プロファイルとの相関解析を行い、それらのデータを国際学術雑誌に公表できた(検討項目2.:課題3)。また、イヌの良好な脂肪幹細胞を安定して入手することができ、分化培養実験への目処が立ってきた(検討項目3.:課題4への取組み)。
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Strategy for Future Research Activity |
入手したイヌ脂肪幹細胞を用いて、白色脂肪および褐色(ベージュ)脂肪細胞への分化実験を実施する。当初UCP1発現促進因子として期待していたOPN3は、上記の遺伝子発現量解析から十分な相関が認められなかったため、その他の刺激因子で分化細胞を処理しUCP1発現を検討する。また、検討項目3.についてイヌUCP1遺伝子のプロモーター解析を実施するとともに、「新奇発現調節因子によるイヌUCP1発現調節」に着手する(課題6)。すなわち、レポーターアッセイを基本として開発した新奇スクリーニング法SSRT(Stimulus Screening for Regulator of Transcription)により、イヌUCP1転写に影響する候補因子の特定を始める。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)