初期胚のタンパク質分解におけるN末端則経路に関する研究
Project/Area Number |
21K05979
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42030:Animal life science-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
黒坂 哲 近畿大学, 先端技術総合研究所, 講師 (30625356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安齋 政幸 近畿大学, 先端技術総合研究所, 教授 (30454630)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | N末端則経路 / タンパク質分解 / アルギニル化 / 初期胚 / 全能性 |
Outline of Research at the Start |
有性生殖による個体発生においては、受精卵が全能性を獲得することが不可欠である。そのメカニズムの解明は生命科学における興味にとどまらず、動物生産、生殖医療、再生医療に大きく貢献するものとなる。全能性獲得のために卵細胞質中に蓄積された母性タンパク質の利用が必要であることは容易に想像できるが、それと同様に母性タンパク質の分解も不可欠である。本研究では、全能性獲得メカニズムの解明に向けて、タンパク質分解経路のひとつであるN末端則経路、特にその一部として機能する翻訳後修飾であるアルギニル化に着目し、母性タンパク質の分解メカニズムにアプローチする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、初期胚発生における母性タンパク質分解へのN末端則経路のかかわりを明らかにすることで、全能性獲得メカニズムの解明に迫ることである。受精直後の胚は卵細胞質に蓄積された母性タンパク質を利用して発生を進めるが、それと同時に母性タンパク質を分解することも必要であり、これは全能性獲得の過程のひとつであると考えられている。N末端則とは、タンパク質の寿命がアミノ末端(N末端)残基に依存するという法則で、真核生物で広く保存されている。特にN末端残基がアルギニンであるペプチドは急速に分解されることが知られており、その反応はアルギニル化とよばれる翻訳後修飾により促進される。このメカニズムは、短時間に劇的な変化が必要な初期胚発生や全能性獲得の特性と合致すると思われ、N末端則経路と全能性獲得のかかわりを解明することは学術的に大きな意義をもつ。 本研究で実施することは、1) N末端則経路を介して分解される母性タンパク質の同定、2) アルギニル化が起こらない胚の解析、3) 加齢卵子の質の向上の試みの3点であり、2022年度は2021年度に引き続き、N末端則経路を介して分解されるタンパク質の候補として特にアルギニル化されるタンパク質の同定、生殖細胞特異的にアルギニル化が起こらないマウス(ATE1-CKOマウス)の生殖能力の検定を試みた。現在までに、未受精卵および初期胚においてアルギニル化されることが予想されるタンパク質の検出に成功しており、それらの初期胚発生における挙動について現在解析中である。また、ATE1-CKOマウスの生殖能力については、雄ではほぼ不妊、雌ではほぼ正常という対照的な結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
未受精卵および初期胚におけるアルギニル化タンパク質の解析については概ね予定通りであるが、ATE1-CKO雌マウスにおいて明らかな表現型がみられず、ATE1を欠失した卵子および胚を得ることができなかったため、アルギニル化が起こらない胚の解析に進めていない。これについては、ノックダウン法等によりATE1を枯渇させた胚を用いて解析を進める予定である、
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Strategy for Future Research Activity |
RNAiやTrim-Away法によりATE1転写産物やタンパク質をそれぞれ枯渇させた卵子を用いた体外受精胚の解析を実施する。さらには、これまでの報告から、加齢卵子においてATE1活性が低下し、母性タンパク質の分解が十分でなくなるために全能性獲得が不十分になる可能性が考えられるので、加齢マウス卵子におけるATE1の発現を調べ、それが低下している場合には、ATE1タンパク質を卵子中に導入することにより加齢マウス卵子の質の向上を試みる。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)