心疾患に関連する新奇生理活性物質 D-グルタミン酸の分解酵素に関する研究
Project/Area Number |
21K06085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43030:Functional biochemistry-related
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
片根 真澄 北里大学, 薬学部, 准教授 (90383653)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | D-グルタミン酸シクラーゼ / D-グルタミン酸分解酵素 / D-グルタミン酸 / 5-オキソ-D-プロリン / D-ピログルタミン酸 / 心臓 / D-アミノ酸 / 比色定量法 |
Outline of Research at the Start |
哺乳類といった高等生物の体内において、遊離の D-グルタミン酸(D-Glu)を分解する酵素は長い間不明であった。我々は、その酵素(D-Glu シクラーゼ)のクローニングに哺乳類で初めて成功し、本酵素の触媒機構を明らかにしてきた。しかし、哺乳類といった脊椎動物の D-Glu シクラーゼには細菌や無脊椎動物のホモログにはない機能未知のドメイン・領域が存在しており、これがどのような役割を担っているのか明らかになっていない。そこで本研究では、D-Glu シクラーゼ活性の迅速で簡便な測定法を開発し、構造機能相関を明らかにすることで、D-Glu シクラーゼによる D-Glu の代謝機構の全貌解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、遊離の D-グルタミン酸(D-Glu)の分解酵素として最近同定した、哺乳類 D-Glu シクラーゼ(DGLUCY;D-Glu を 5-オキソ-D-プロリン[5-オキソ-D-Pro]と水に分解する反応を可逆的に触媒する酵素)の代謝機構の全貌を解明することである。この目的に向けて、DGLUCY 活性の迅速で簡便な測定法の開発のほか、DGLUCY の構造機能相関の解明を試みる。 2021 年度には、吸光度計を用いた比色定量に基づく迅速で簡便な DGLUCY 活性の新規測定法について解析した。その結果、5-オキソ-D-Pro の 2-ニトロフェニルヒドラジン塩酸塩による誘導体化反応の最適な条件を決定した。また、比色定量法による 5-オキソ-D-Pro の感度を解析した。その結果、96-well プレートを用いた比色定量法が、我々が以前に開発した高速液体クロマトグラフィーを用いた測定法(HPLC-UV 法)よりも低感度である一方で、384-well プレートを用いた比色定量法は HPLC-UV 法よりも高感度であることが明らかになった。 2022 年度は、比色定量法が、DGLUCY の酵素活性の測定に適用可能かどうかを解析した。すなわち、比色定量法を用いてマウス組換え DGLUCY の D-Glu に対する動力学定数を決定し、HPLC-UV 法を用いて決定した値と比較した。その結果、比色定量法を用いて DGLUCY の酵素活性を正確に測定できることが明らかになった。また、野生型および DGLUCY ノックアウトマウスそれぞれから樹立した培養細胞株の抽出液を酵素源として DGLUCY 活性を測定することにより、本法の正確性とともに頑健性を解析した。その結果、比色定量法を用いて細胞可溶化液中における DGLUCY の酵素活性を正確に測定できることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の研究計画は、(1)吸光度計を用いた比色定量に基づく迅速で簡便な DGLUCY 活性の新規測定法を開発することと、(2)哺乳類 DGLUCY の構造機能相関を解析することである。また、上記(1)の具体的な研究計画は、(1-1)5-オキソ-D-Pro が 2-ニトロフェニルヒドラジン塩酸塩で誘導体化される反応の最適な条件を決定すること、(1-2)本法の感度を解析すること、(1-3)マウス組換え DGLUCY の D-Glu に対する動力学定数を決定し、本法を用いて DGLUCY の酵素活性を正確に測定できるかどうかを解析すること、および(1-4)野生型および DGLUCY ノックアウトマウスそれぞれから樹立した培養細胞株の抽出液を酵素源として DGLUCY 活性を測定し、本法の正確性と頑健性を解析することであった。一方、上記(2)の具体的な研究計画は、(2-1)マウス DGLUCY の全長、N 末側領域のみ、および C 末側領域のみそれぞれを大腸菌で発現させて精製し、それらの DGLUCY 活性を測定することで、N 末側と C 末側のどちらの領域に活性中心が存在するのかを解析すること、(2-2)活性中心を含む領域の三次元構造をコンピュータ内でモデリングし、基質とのドッキングシミュレーション解析により活性中心残基を推定すること、および(2-3)推定したアミノ酸残基にアミノ酸置換変異が導入された DGLUCY を大腸菌で発現させて精製し、その DGLUCY 活性を測定することで、推定したアミノ酸残基が実際に活性中心残基として機能していることを確認することであった。 2022 年度は、主に上記(1)の研究を進め、(1-3)および(1-4)が終了した。すなわち、計画していた研究全体の 50% 程度が進行したと思われる。したがって、本研究は「やや遅れている」と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023 年度は、哺乳類 DGLUCY の構造機能相関を解析する。具体的には、マウス DGLUCY の全長、N 末側領域のみ、および C 末側領域のみそれぞれを大腸菌で発現させて精製し、それらの DGLUCY 活性を測定することで、N 末側と C 末側のどちらの領域に活性中心が存在するのかを解析する。さらに、マウス DGLUCY の活性中心を含む領域の三次元構造をコンピュータ内でモデリングし、基質とのドッキングシミュレーション解析により活性中心残基を推定する。また、推定したアミノ酸残基にアミノ酸置換変異が導入された DGLUCY を大腸菌で発現させて精製し、その DGLUCY 活性を測定することで、推定したアミノ酸残基が実際に活性中心残基として機能していることを確認する。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)