Project/Area Number |
21K06090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43030:Functional biochemistry-related
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
羽鳥 勇太 安田女子大学, 薬学部, 講師 (00759730)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ミトコンドリア / オートファジー / リソソーム / パーキンソン病 / P5-ATPase / P型イオンポンプ / マイトファジー / P-type ATPase / lysosome / Parkinson's Disease / proteolysis / Kufor-Rakeb syndrome |
Outline of Research at the Start |
パーキンソン病(Parkinson’s disease, PD)は60歳以上で100人に一人の割合で発症する進行性の神経変性疾患であり、脳の特定の領域に分布するドパミン作動性神経が徐々に死滅していくことが原因となっている。レボドパを中心とする現在の補充療法は症状改善には極めて有効であるが、病態進行を阻止する効果は不十分であり、神経細胞死の分子機序を解明することが喫緊の課題となっている。本研究では家族性PD遺伝子であるATP13A2の機能を分子レベルで特定することで、リソソーム異常がPD進行とどのような関連を持つかを明らかにしたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
2021・2022・2023年度を通じて、組換えアデノウイルスを用いたP5-ATPaseの発現系の構築を進め、酵素活性の保持と高収量を達成した。2021年度は局在解析を中心として実験を実施し、共焦点顕微鏡下でライブセルイメージングによりオルガネラ動態とATP13A2分子の挙動の比較解析を行った。2022年度には、ミトコンドリアタンパク質との相互作用の検討を進め、その成果をPLOS One誌に発表した(PLoS One. 17, e0276823, 2022)。 2023年度の成果として、ATP13A2をアデノウイルスベクターを用いて大量発現して得られた膜画分を用い、ポリアミン依存的なATPase活性を詳細に測定し、ポリアミンに対する親和性を決定した。スペルミジンに対するKmは既に報告されている組み換えATP13A2のパラメータとよく対応し、同様の性質を保持していると考えれる。一方、Vmaxについては報告されたものより高い値が得られ、発現量の向上が反映されたものと予想される。 さらに、肺胞上皮細胞を新たな実験モデルとし、肺胞上皮におけるATP13A2およびATP13A1のユニークな発現プロファイルを発見した。興味深いことに、肺胞上皮細胞ではⅠ型からⅡ型への分化の過程で、時間依存的にATP13A1およびATP13A2の発現量が大きく変化することが判明し、Ⅰ型/Ⅱ型の機能分化とP5-ATPaseが密接に関わっていることが予想される。現在、さらに肺胞上皮細胞におけるポリアミン分布とP5-ATPaseの関連を解析している。この新しい成果の一部は、年度内に学術論文として報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画から発展して、新たに肺胞上皮細胞をモデルとしてP5-ATPaseの発現を検討したところ、予想外の重要な知見が得られ、当初計画に追加して複数の実験を行った為。
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Strategy for Future Research Activity |
ATP13A2をはじめ、P5-ATPaseの生理学的機能については、主に中枢神経系、特にパーキンソン病との関連からドーパミン作動性ニューロンを用いての研究が展開されている。一方で、本研究で明らかになりつつあるように、P5-ATPaseは広く様々な組織に分布しており、中枢神経以外での細胞機能はほとんど探索されていない。今後、本研究を通して、そのギャップを埋める発見を目指していく予定である。
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