大規模並列レポーターアッセイ法による転移因子進化メカニズムの解明
Project/Area Number |
21K06119
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43050:Genome biology-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 詞貴 京都大学, 高等研究院, 特定准教授 (60525369)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOURQUE GUILLAUME 京都大学, スーパーグローバルコース医学生命系ユニット, 招へい研究員 (80890566)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | エンハンサー / 転移因子 / MPRA / ゲノム進化 / エピゲノム / iPS細胞 / 神経前駆細胞 |
Outline of Research at the Start |
転移因子はヒトゲノムの半分近くを占め、何ら機能を持たないJunk DNAと考えられてきた。近年のエピゲノム研究により、近傍遺伝子の転写を制御する「エンハンサー」機能を持ちうる事が示唆されているが、その詳細は不明である。本研究では、転移因子に生じた中立的変異がどのようにエンハンサー機能獲得に寄与し、進化的に保存・変遷してきたかについて、大規模並列レポーターアッセイ法(lentiMPRA)を用いて明らかにし、ゲノム機能獲得・変遷の側面から見たヒト進化を理解する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、転移因子機能の進化を明らかとするため、大規模並列レポーターアッセイ法(lentiMPRA)を用い、iPS細胞、神経前駆細胞における転移因子のエンハンサー活性を大規模並列的に解析する。 先行研究で行ったエピゲノム解析から、MER11、MER34、MER52が iPS細胞および神経前駆細胞においてエンハンサー活性を持つと予想されたため、これらの転移因子ファミリーのバリアント合計約17,000配列を含むMPRAライブラリを作製した。これをヒトiPS細胞および神経前駆細胞へ導入し、細胞から回収したDNAおよびRNAバーコードについてNextSeqによるシークエンシングを行った。バイオインフォマティクス解析パイプライン(MPRAflowおよびMPRAnalyze)を用い、DNAおよびRNAバーコードを定量した。3実験群で高度に再現性があること、ポジティブコントロール配列、ネガティブコントロール配列が予想通りの挙動であること、既知のエピジェネティック修飾と相関があることを確認した。MER11の多くがiPS細胞において特異的に高いエンハンサー活性を持つことを見出した。従って、MER11サブファミリーの詳細な系統樹を作成し、その分岐とエンハンサー活性の獲得・消失の関連を解析した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、MPRAライブラリの作製・クオリティチェック、MPRA実験条件最適化、DNA/RNAバーコードシークエンシング、バイオインフォマティクス解析を終了している。 期待通り、iPS細胞において高いエンハンサー活性を呈する転移因子を同定することに成功している。再現性や、コントロール配列が期待通り挙動することも確認している。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きMPRAの詳細なデータ解析を行う。特に、MER11サブファミリーのエンハンサー活性を担う配列・塩基、転写因子結合モチーフを明らかとする。エンハンサー活性の変化に関連する重要な塩基置換を系統的に理解する。これにより、MER11の機能の進化的変遷とその分子機構を明らかとする。また、ヒト、チンパンジー、カニクイザルのMER11配列比較を行うことで、種分岐後の変異獲得と機能の関連を検討する予定である。また、得られた結果を多角的に検証するため、ルシフェラーゼアッセイ、ゲルシフトアッセイ、CRISPRiによる機能解析を行う予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)