減数分裂期のDNA修復機構におけるMcmdc2の機能の解明
Project/Area Number |
21K06159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44010:Cell biology-related
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
酒井 則良 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 准教授 (50202081)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 減数分裂 / mcmdc2 / ゼブラフィッシュ / DNA修復 |
Outline of Research at the Start |
減数分裂期のDNA修復制御機構を解明する目的で、ゼブラフィッシュ減数分裂変異体の原因遺伝子mcmdc2遺伝子の機能解析を行う。Mcmdc2タンパクやその複合体形成が予想されるMcm8タンパク質、Msh4/5タンパク質等の抗体を作製して、ゼブラフィッシュの野生型と変異体において他の減数分裂期DSB修復制御因子との共局在を観察し、組換え修復における相互関係および交叉による修復への関与を調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
減数分裂期の染色体分配には、組換えによる二本鎖DNA切断(DSB)修復が生む相同染色体の交叉が必須であるが、その制御機構には未知の部分が多い。ゼブラフィッシュ減数分裂変異体imoの原因遺伝子として見つかったmcmdc2遺伝子は、ショウジョウバエとマウスの先行研究から減数分裂期のDSB修復に機能する新規因子であることが示唆されているが、その細胞内局在や分子機構は未知である。マウスとは異なり、ゼブラフィッシュ変異体では卵母細胞が減数分裂を超えて発達するため、他の減数分裂因子への影響を解析しやすい。昨年度、ENU変異体のimo変異体とmcmdc2ノックアウトゼブラフィッシュとの相補性テストを行い、imo変異体の表現型がmcmdc2の変異によるものであることを確認した。そして、imo変異体の精母細胞に対してヒストンH2AXや減数分裂特異的recombinaseであるDmc1、DNAミスマッチ修復タンパク質のMsh5 (mutS homolog 5)の解析を行い、組換え中間体のプロセシングに異常があることが見えてきた。本年度は、mcmdc2変異体の精母細胞に加えて卵母細胞の表現型解析を進めるとともに、Mcmdc2と協働して組換えに関わると考えられるMcm8の変異体の作製を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)昨年度の、imo変異体精母細胞を用いた減数分裂期の組換えマーカーの免疫染色から、Mcmdc2は組換え中間体のプロセシングに機能しそうなことが見えてきた。そこで、この表現型の定量的解析を進め、野生型と比較した免疫染色像においてDmc1のシグナルの数値化を行なった。その結果、変異体の精母細胞では野生型に比べて有意な増加が見られた。また、この変異体ではオスでは精母細胞以降は欠損するのに対して、メスでは成熟卵が得られるため、野生型精子と受精させて、発生した胚の染色体数をPI(プロピジウムイオダイド)を用いたフローサイトメーター解析で調べた。その結果、まだ例数は少ないものの、染色体の異数性が認められ、卵母細胞でも組換え異常が起こっていることが示唆された。この結果から、Mcmdc2の異常が引き起こす減数分裂の組換え過程に対して、オスとメスでチェックポイントが異なることが予想される。 (2)減数分裂期の組換えにおけるMcmdc2の役割を明らかにするために、Mcmdc2と協働して組換えに関わると考えられるMcm8のノックアウトゼブラフィッシュをCRISPR-Cas9法によって作製した。スクリーニングの結果、異なるフレームシフト変異を持つF1個体が複数得られた。そして、タンパク質発現を確認する目的で、他生物種のMcm8を認識する抗体を用いてゼブラフィッシュMcm8の免疫染色を試みたが、現時点で、想定されるシグナルは検出できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)変異体由来の卵母細胞の染色体異常を定量的に解析するとともに、精母細胞と同様の免疫染色を行い、野生型との違いを把握する。さらに精母細胞との違いを調べ、卵母細胞と精母細胞における減数分裂チェックポイントの違いを見出す。 (2)得られたmcm8ノックアウトF1ヘテロを交配させてホモ変異体を作製するとともに、mcmdc2変異体と交配させて二重変異体を作製し、Mcm8がMcmdc2と協働するか、独立した機能を有するかをそれぞれの表現型から解析する。この解析にMcm8とMcmdc2の抗体が不可欠であるが、これまでどちらも作製できていない。Mcmタンパク質は似た配列のタンパク質(Mcmファミリー)がたくさんあり、特異的な抗体を作るのが難しいようである。断片化したリコンビナントタンパク質や合成ペプチドを用いて、それぞれの抗体の作製を試みる予定である。これらを用いた解析とヒストンH2AX、Dmc1、Msh5等による解析から、減数分裂期組換えにおけるMcm8とMcmdc2の機能的役割について考察を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)