Project/Area Number |
21K06162
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44010:Cell biology-related
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Research Institution | Institute for Developmental Research Aichi Developmental Disability Center |
Principal Investigator |
川口 禎晴 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 細胞病態研究部, 主任研究員 (00450833)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | TSC2 / SIRT1 / アセチル化 / 概日リズム / 時計遺伝子 / ノックインマウス / mtor |
Outline of Research at the Start |
本研究では、 新規アセチル化タンパク質として同定したTSC2が、概日リズムに伴いどのようにアセチル化調節を受けるのか、その背景にある分子メカニズムと生物学的意味を明らかにする。TSC2 の可逆的アセチル化を担うキープレーヤー(アセチル化酵素・脱アセチル化酵素)を決定し、それら分子の発現や活性調節を調べるとともに、TSC2のアセチル化異常変異体を用いて概日リズムへの影響を細胞レベルや個体レベルで検証することで、TSC2の可逆的アセチル化調節による 概日リズムの新たな制御機構を明示する。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまで、TSC2アセチル化の日内変動の生物学的意義を明らかにするために、TSC2アセチル化不全ノックインマウス(KRマウス)と、TSC2疑似アセチル化ノックインマウス(KQマウス)を作出し、まずはMEF細胞を用いた検証を実施し、いずれのマウス由来の細胞においても概日リズムが乱れていることを明らかにした。 今年度は、その乱れのメカニズムを解明するためにリズム同調機構に着目し、MEF細胞を用いて検証を進めた。細胞が高栄養状態に曝されるとリズム変動がリセットされて周りの細胞と同調することが分かっている。この時に時計遺伝子のPER1の発現量が一過性に増加するため、これを同調の指標として各MEF細胞について調べた結果、KRマウスとKQマウスいずれのMEF細胞ともPER1の一過性増加が見られず、同調システムそのものが異常となっていことが考えられた。 また、TSC2の脱アセチル化を担う酵素として同定したSIRT1について概日リズムとの関連を調べたところ、SIRT1の発現量もアセチル化TSC2量の変動に伴い日内変動することを見出した。また、SIRT1特異的阻害剤を用いたリズム同調実験において、阻害剤はアセチル化TSC2を細胞内に蓄積させると同時に、mTORシグナリングを活性化し、リズム同調を阻害した。 これまで、SIRT1による概日リズム調節については時計遺伝子の遺伝子発現制御が知られていたが、我々の結果から、SIRT1は遺伝子発現レベルのみならず、TSC2の脱アセチル化を介したmTORシグナリング調節によっても概日リズムの同調制御に関与している可能性が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞レベルの検証は順調に進んでいるが、ノックインマウスの戻し交雑が予定通り進まず、本年度中にマウスを用いた表現型解析(概日リズム解析等)に着手できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
戻し交雑を完了させて、生体におけるTSC2変異の概日リズムへの影響を調べる。表現型解析として、概日リズム異常、社会性行動異常、代謝系異常を中心に検証する予定。
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