キラルなアクチン動態が細胞キラリティを誘導する機構の解明
Project/Area Number |
21K06188
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44020:Developmental biology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲木 美紀子 大阪大学, 大学院理学研究科, 講師 (10747679)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 細胞キラリティ / 左右非対称性 / アクチン細胞骨格 / ミオシン1D |
Outline of Research at the Start |
生物は、体の外形や内部構造に左右非対称な形態や機能を持ち、その形成は、遺伝的に厳密に制御されている。近年、細胞の形態や動きにも左右性が見られることが明らかになりつつあり、それは細胞のキラリティと呼ばれる。ショウジョウバエでは、細胞キラリティが、組織のキラリティである左右非対称性形成に働くことが示されている。また、培養細胞やin vitroの系ではアクチン繊維の動態にキラリティがあることが示されている。しかしながら、これらアクチンのキラルな動態が、どのように細胞のキラリティを誘導できるかは明らかにされていない。本研究課題では、分子のキラルな動態による細胞キラリティの誘導機構を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
生物は、体の外形や内部構造に左右非対称な形態や機能を持ち、その形成は、遺伝的に厳密に制御されている。近年、細胞の形態や動きにも左右性が見られることが明らかになりつつあり、それは細胞のキラリティと呼ばれる。ショウジョウバエでは、細胞キラリティが、組織のキラリティである左右非対称性形成に働くことが示されている。また、培養細胞やin vitroの系ではアクチン繊維の動態にキラリティがあることが示されている。しかしながら、これらアクチンのキラルな動態が、どのように細胞のキラリティを誘導できるかは明らかにされていない。本研究課題では、細胞キラリティによる左右性形成機構の重要な課題である分子のキラルな動態による細胞キラリティの誘導機構を解明することを目的とした。これまてショウジョウバエ胚の後腸をモデル系として、アクチン細胞骨格系の動態の観察を試みてきたが、腸管が胚の深部にあることと腸管自体がねじれていくことのため、観察が難しかった。このため、de novoでキラリティを誘導できる幼虫の表皮を用いたイメージングを行った。表皮細胞にMyosin1Dを強制発現させると細胞キラリティが誘導されることが示されている。GAL4-UASシステムを用いて表皮全体でMyosin1D-RFPあるいはMyosin1C-RFPとアクチン繊維を標識するマーカーであるLifeact-GFPを強制発現し、幼虫を麻酔した状態で表皮の観察を行った。Myosin1Dの細胞キラリティの誘導能とアクチンの渦巻きの誘導能は、 アクチンと相互作用するモータードメインにあることがわかっている。そこで、Myosin1Dのモータードメインの一部を左向き活性のないMyosin1Cとスワップすることにより、キラリティ誘導を担うドメインの探索を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幼虫表皮の系では、Myosin1DおよびMyosin1Cにより誘導されるキラリティの定量解析に成功している。今後キラリティの形成される2齢幼虫を観察することで、キラルな細胞の形を誘導するアクチン細胞骨格動態を検出できると考えられるため。ドメイン解析では、Myosin1Cのヘッドドメインの4つのループ構造にMyosin1Cの活性があることがin vivoで示され、今後in vitroで活性を計測するため。Myosin1Dに関しては、ヘッドドメインの前上部と前下部に活性があることがin vitroの実験で明らかになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、キラリティの形成される1齢幼虫または2齢幼虫でアクチン動態の観察を行い、アクチン繊維が形成されていく様子をとらえる。培養細胞では、細胞の周辺部から繊維が形成される様子が示されているため、その部分にも着目して観察を行う。ドメイン解析では、in vitroでMyosin1C活性の見られた、4つのMyosin1CループをもつMyosin1Dに関して、in vitroのアクチン回転アッセイを行う。in vitroでMyosin1D活性のみられたヘッドドメインの前上部と前下部をスワップしたMyosin1Cに関してはin vivoでその活性を確かめる。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)