Project/Area Number |
21K06213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
槻木 竜二 京都大学, 理学研究科, 助教 (50303805)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 植物幹細胞 |
Outline of Research at the Start |
幹細胞らしさは独自の遺伝子発現プログラムにより成立すると考えられる。真核生物では、転写開始後の転写の段階が遺伝子発現に特に重要であることがわかりつつある。植物幹細胞の分化は、転写開始後の段階で制御されているのか? そうであれば、どの遺伝子がどのように制御されているのか?本研究では、幹細胞において転写進行中のRNAポリメラーゼ IIと転写共役因子を生化学的に解析して、幹細胞らしさに関わる遺伝子発現制御機構の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
植物では、器官形成に必要な幹細胞が一生を通じてアクティブである。幹細胞らしさの分子実体は何か? それはどのように確立し、維持されるのか? 幹細胞から生じた娘細胞は、分化の際に幹細胞らしさをどのように失うのか?幹細胞らしさは独自の遺伝子発現プログラムにより成立すると考えられる。真核生物では、転写開始後の段階が遺伝子発現に特に重要であることがわかりつつある。植物幹細胞の分化は、転写開始後の段階で制御されているのか? そうであれば、どの遺伝子がどのように制御されているのか?シロイヌナズナにおいて、幹細胞らしさを負に制御するVAH遺伝子を見出している。vah機能欠損変異体では、幹細胞領域の拡大や異所的な形成が見られる。VAHは、CLV3とは別の経路で働き、茎頂の幹細胞らしさを正に制御するWUSCHEL(WUS)などの発現を負に制御する。 1)VAHタンパク質が他のタンパク質と複合体を形成し、機能していることを明らかにした。 2)vah変異体では、RNAポリメラーゼ IIの転写伸長動態に異常があることを見出した。 3)RNAポリメラーゼ IIと相互作用する転写共役因子の同定方法を確立した。転写共役因子として、RNAのプロセッシングに関わるもの、転写伸長に関わるもの、ヒストン修飾に関わるもの、ヒストンシャペロンなどを同定した。vah変異体では、RNAポリメラーゼ IIとヒストンシャペロンの相互作用に異常があることを見出した。また、同ヒストンシャペロンの特異抗体の作製に成功した。 4)vah変異体では、エピジェネティック発現制御に部分的な異常があることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、VAHと共に働くタンパク質因子の同定に成功している。VAHとこれら因子は、植物幹細胞制御の観点からはほとんど解析されていない。また、VAHがRNAポリメラーゼIIの転写伸長過程の制御やエピジェネティック遺伝子発現制御に関わることを示唆する結果を得ている。本研究を進めることにより、植物幹細胞分化を制御する新規な転写制御機構が発見されると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究から、VAHと共に働くタンパク質因子を複数同定している。また、VAHがRNAポリメラーゼIIの転写伸長過程の調節に関わることが示唆されている。vah変異体では、転写を行なっているRNAポリメラーゼIIとヒストンシャペロンの相互作用が異常になることも見出している。同ヒストンシャペロンはゲノムDNAへのアクセス性の制御に関わることが知られている。これらを踏まえ、以下の解析を進める。 1)VAHを介した転写伸長制御機構を明らかにするために、VAHと共に働く因子の網羅的同定を進める。VAHを指標に免疫沈降を行い、質量分析によりVAHと相互作用する因子を分子同定する。 2)転写伸長中のRNAポリメラーゼIIの免疫沈降を行い、転写中のRNAポリメラーゼIIと相互作用する転写共役因子を網羅的に分子同定する。vah変異体と野生型を比較解析する。 3)vah変異体で、RNAポリメラーゼIIとの相互作用が異常なヒストンシャペロンを同定している。同タンパク質に対する特異抗体の作製にも成功しており、これを用いて、タンパク質複合体の免疫沈降を行う。vah変異体と野生型を比較解析する。 4)vah変異体と野生型で、転写伸長中のRNAポリメラーゼIIのクロマチン免疫沈降を行い、ゲノムワイドでRNAポリメラーゼII、同ヒストンシャペロンのゲノムへの結合状態を比較解析する。
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