集団レベルの活動リズムを生み出す自己組織化機構の解明
Project/Area Number |
21K06329
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
菊地 友則 千葉大学, 海洋バイオシステム研究センター, 准教授 (80608547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 研 東北学院大学, 教養学部, 教授 (50313424)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ウルトラディアンリズム / 自己組織化 / 社会性昆虫 |
Outline of Research at the Start |
アリの社会では,集団レベルで活発に働く活動期と多くの個体が休む休息期が交互に出現する.このような集団レベルのリズム活動が如何にして創発されるのか不明であった.本研究課題では,1)アリの社会を個体、個体間、集団の各階層に分解しそれぞれ活動特性を抽出するともに,2)ネットワーク解析から個体間の相互作用パターンを明らかにし,これらを合成することで集団レベルの活動動態の解明を目指す.特に唯一の繁殖者である女王が,集団レベルの活動動態にあたえる影響を調査し,女王とワーカーまたはワーカー間の局所的な相互作用で制御されている自己組織化機構について議論する
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、これまで知見が少なく実際の社会活動の時間スケールに近いウルトラディアンリズムに着目し、集団レベルのリズム活動の発現メカニズムを、個体、個体間のリズム活動の視点から理解することを目的とした。本年度は、個体レベルのウルトラディアンリズムの追加データをとるとともに、2個体時のデータ解析の準備を進めた。前年度は、女王、内役ワーカー、外役ワーカーのカースト毎の解析を行ったが、対象としているトゲオオハリアリは女王がコロニーに1匹しか存在しないため、他のカーストに比べてサンプル数が稼げなかった。そこで、コロニーを新たに採集し、女王カーストのサンプル数を増加させた。新たに10個体の女王を解析した結果、いずれも20-40分程度のリズム周期が確認され、前年度のデータと合わせると、84.2%(16/19)の女王がウルトラディアンリズムを持つことが明らかになった。また、前年度の解析では、各カーストの平均移動速度がカースト間で異なりワーカーに比べて女王で早いことが明らかになっていた。追加データを合わせて一回あたりの移動速度分布を調査したところ、分布の形がカースト間で大きく異なっていた。内役ワーカー、外役ワーカーの移動速度の殆どが(約98%)が100pixel/s以下だったのに対し、女王では67.8%に過ぎなかった。女王の残りの移動の約30%は100〜300pixel /sの速い速度のものであった。これらの事から、女王は移動に関して、ワーカーと同じような速度を示すフェーズと、女王特異的な早い速度を示すフェーズの二つがあることが明らかになった。2個体条件下の各個体のリズムの有無や周期、2個体間の同期の有無については鋭意現在解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
サンプルの確保(サンプリング調査の調整や天気)や撮影、解析に手間取り、当初の目標を達成できなかったことから、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は2個体間のリズム解析と集団レベル(50個体の)のリズム解析をすすめ、これまで明らかになった個体レベルのリズム特性と合わせて、集団レベルのリズム活動の発現メカニズムを明らかにする。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)