血縁のない共同創設女王どうしの協力関係が崩壊するメカニズムの解明
Project/Area Number |
21K06345
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 俊幸 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80242238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 哲史 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10549637)
佐々木 謙 玉川大学, 農学部, 教授 (40387353)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 協力行動 / 非血縁 / 行動操作 / オクトパミン |
Outline of Research at the Start |
無脊椎動物における非血縁者間の協力行動の研究は、脊椎動物とは独立に進化した現象として、協力行動・社会性の進化の普遍的な原理を理解するうえで重要な示唆を与えるものと期待される。チクシトゲアリは血縁のない創設女王どうし同じ営巣場所で越冬し、栄養交換・共同育児しコロニーを創設するが、成熟したコロニーでは単女王となり、女王は攻撃的になる。本研究では、血縁のない創設女王どうしの協力関係が維持されたり崩壊する条件を、生体アミン(オクトパミン)経口投与による行動操作(協力行動の消失)の手法を用い、行動学、生理学、遺伝子発現の観点から解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
チクシトゲアリは、しばしば血縁のない創設女王どうし同じ営巣場所で越冬し、栄養交換しあいながら共同でコロニーを創設するアリである。これまでの研究により、創設期の女王より成熟巣の女王の方が脳内オクトパミン濃度が有意に高いこと、女王数が多いほど女王の脳内オクトパミン濃度が高いこと、オクトパミンを経口摂取させると栄養交換などの協力行動の頻度が低下し、逆に、相手の触角を噛んで引っ張るなど敵対的な行動を誘導できることが明らかになった。相手に栄養交換を要求したのに拒否された場合、拒否した相手に対し攻撃的にふるまうことも明らかになった。相手の大顎に噛みつき、栄養を吐き戻すまで離さない行動も観察し、相手から栄養交換を引き出す駆け引きの存在が示唆された。これまでに以下の行動実験を行った。(1)ペア間の協力行動:コントロールでは片方の女王にのみ10%ショ糖水を給餌し、給餌しなかった女王との栄養交換行動を解析した。給餌個体から非給餌個体への口移しの栄養交換行動が確認され、体重の移動があった。一方、実験区では、片方の女王にオクトパミン2㎎/ml入りの10%ショ糖水を給餌し、非給餌個体との相互作用を録画した。栄養交換の回数と時間及びアログルーミングの回数と時間はショ糖のみ給餌に比べ、オクトパミン給餌では有意に頻度が低かった。(2)トリオでの協力行動:創設女王3個体のうち1個体にのみ10%ショ糖水、あるいはオクトパミン2㎎/ml入りの10%ショ糖水を給餌し、給餌しなかった女王2個体との相互作用を録画し、解析した。栄養交換の回数と時間及びアログルーミングの回数と時間は、ペア実験と同様、対照群と比較してオクトパミン投与群で低下し、協力行動を抑制する働きが確認された。また、遺伝子発現の比較解析から、成熟巣の女王の頭部で、幼若ホルモン関連遺伝子や産卵女王の行動に関係する遺伝子の高い発現が検出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため調査が滞っていたため。
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Strategy for Future Research Activity |
女王の行動解析、遺伝子発現中心に計画通り実行する。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)